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2018 年度 実施状況報告書

気管支上皮内発癌物質代謝酵素の網羅的解析による新規肺癌感受性診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K08805
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

小山 倫浩  兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00309965)

研究分担者 後藤 章暢  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード肺癌 / 発癌物質代謝酵素 / 肺癌感受性診断法 / 癌幹細胞マーカー
研究実績の概要

2016年には全国の肺癌罹患数は13万人以上となり、肺癌による死亡者数は約8万人に達した。肺癌は診断されるとそのうち半数以上が死に至る生命予後が極めて悪い難治性癌であり、肺癌を予防することが重要な医学的課題となっている。このため、本研究では、喀痰に含まれる気管支上皮中に発現する発癌性化学物質の代謝に係る解毒酵素を網羅的に解析する。さらに、癌幹細胞マーカーなどから肺癌発生のメカニズムを検討し、網羅的に解析した発癌物質代謝酵素の肺癌感受性を検出し評価することとした。
2018年度には、下記の研究をおこなっている。
1)肺癌切除肺約100例を対象として喫煙量や切除までの禁煙期間、所在地などの「環境要因・生活習慣要因」に関する臨床病理学的情報の集積を行なっている。(約80%の作業が終了している)
2) 対象例約100例の切除肺からパラフィン包埋切片を作製し、HE(hematoxylin and eosin stain)染色により組織学的診断を行う。(約90%の作業が終了している)
3) 切除肺切片の肺癌の癌幹細胞マーカー免疫組織化学染色(aldehyde dehydrogenase-1:ALDH1、CD133、CD44、癌抑制遺伝子:p53) を施行する。(染色条件判定のための予備実験中)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)肺癌切除肺約100例を対象として喫煙量や切除までの禁煙期間、所在地などの「環境要因・生活習慣要因」に関する臨床病理学的情報の集積を行なっている。予後調査、や合併疾患の調査が残っているが、対象症例に対する情報集積は約80%の作業が終了している。
2) 対象例約100例の切除肺からパラフィン包埋切片を作製し、HE(hematoxylin and eosin stain)染色により組織学的診断を行う。対象症例全てのスライド作成と病理診断の確定作業の約90%の作業が終了している。
3) 切除肺切片の肺癌の癌幹細胞マーカー免疫組織化学染色(aldehyde dehydrogenase-1:ALDH1、CD133、CD44、癌抑制遺伝子:p53) を施行する。1次抗体の濃度、オートクレーブの有無などでの染色条件判定のための予備実験中である。

今後の研究の推進方策

2018年度の研究が概ね終了したので次の研究方針を遂行する予定としている。
1)肺癌切除肺約100例を対象として喫煙量や切除までの禁煙期間、所在地などの「環境要因・生活習慣要因」に関する臨床病理学的情報の集積の完遂。
2) 対象例約100例の切除肺からパラフィン包埋切片を作製し、HE(hematoxylin and eosin stain)染色により組織学的診断を行う。対象症例全てのスライド作成と病理診断の確定作業の完遂。
3) 対象例約100例の切除肺切片の肺癌の癌幹細胞マーカー免疫組織化学染色(aldehyde dehydrogenase-1:ALDH1、CD133、CD44、癌抑制遺伝子:p53) の施行を目指す。さらに、肺癌における幹細胞マーカーの意義を明らかにする。
4) 対象例約100例の切除肺切片の気管支上皮の発癌物質代謝酵素による免疫組織化学染色(第I相発癌物質代謝酵素: CYP family、第II相発癌物質代謝酵素: Acetyltransferases・Glutathione S-Transferases・UDP Glycosyltransferases、第III相発癌物質代謝酵素: P-Glycoprotein family・Metallothioneins)の予備実験を施行する。

次年度使用額が生じた理由

2018年度から2019年度に科学研究費が繰り越されたのは以下の理由による。
1)肺癌切除肺約100例を対象として喫煙量や切除までの禁煙期間、所在地などの「環境要因・生活習慣要因」に関する臨床病理学的情報の集積に時間を要したこと。
2)対象例約100例の切除肺からパラフィン包埋切片を作製し、HE(hematoxylin and eosin stain)染色により組織学的診断を行うのに時間を要したこと。
上記のため、肺癌の癌幹細胞マーカー免疫組織化学染色の開始が遅れ、2018年度の科学研究費の使用が後半に移動した。更に、癌幹細胞マーカー免疫組織化学染色の判定作業にはバーチャルスライドという新手法取り入れたため、2019年度にはバーチャルスライドのための数十万円の追加研究費が必要となり、癌幹細胞マーカー免疫組織化学染色とバーチャルスライド作製に2018年度の科学研究費を使用する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] 縦隔型右下葉枝A7+8+9の破格を伴った右肺下葉切除の1例2018

    • 著者名/発表者名
      宮田剛彰、比嘉花絵、元春洋輔、吉松 隆、山下直樹、小山倫浩
    • 雑誌名

      日呼外会誌

      巻: 32 ページ: 731-735

  • [学会発表] 肺腺癌における癌幹細胞マーカーALDH1・CD133発現の意義2018

    • 著者名/発表者名
      小山倫浩, 浦本秀隆, 名部裕介, 平井文子, 篠原伸二, 竹中賢, 田嶋裕子, 米田和恵, 市来嘉伸, 黒田耕志, 今西直子, 山下直樹, 宗哲哉, 宮田剛彰, 吉松隆, 後藤章暢, 安田学,大崎敏弘, 花桐武志, 中西良一, 田中文啓
    • 学会等名
      第118回日本外科学会定期学術集会
  • [学会発表] 肺腺癌の癌幹細胞マーカー(Aldehyde dehydrogenase-1とCD133)と無再発生存期間(DFI)の関連.2018

    • 著者名/発表者名
      小山倫浩, 浦本秀隆, 米田和恵, 今西直子, 市来嘉伸, 山下直樹, 宗哲哉, 安田学, 吉松隆, 花桐武志, 大崎敏弘, 田中文啓, 後藤章暢
    • 学会等名
      第77回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] 肺腺癌における癌幹細胞マーカーALDH1・CD133は相関して発現する傾向がある2018

    • 著者名/発表者名
      小山倫浩、浦本秀隆、名部裕介、平井文子、篠原伸二、竹中賢、田嶋裕子、米田和恵、市来嘉伸、黒田耕志、今西直子、山下直樹、宗哲哉、宮田剛彰、吉松隆、安田学、大崎敏弘、花桐武志、中西良一、田中文啓
    • 学会等名
      第35回日本呼吸器外科学会総会
  • [学会発表] 肺癌取扱い規約第7版における大細胞癌の病理学的検討2018

    • 著者名/発表者名
      吉松隆、川野大悟、山下直樹、宗哲哉、下川秀彦、比嘉花絵、宮田剛彰、小山倫浩
    • 学会等名
      第35回日本呼吸器外科学会総会
  • [学会発表] 小型肺癌により傍腫瘍性神経症候群(辺縁系脳炎)を来した1例2018

    • 著者名/発表者名
      宗哲哉、山下直樹、比嘉花絵、宮田剛彰、川野大悟、吉松隆、下川秀彦、中野龍治、小山倫浩
    • 学会等名
      第35回日本呼吸器外科学会総会
  • [学会発表] アスペルギローマに部分肺静脈還流異常を合併した一例2018

    • 著者名/発表者名
      山下直樹、宗哲哉、比嘉花絵、宮田剛彰、川野大悟、吉松隆、下川秀彦、小山倫浩
    • 学会等名
      第35回日本呼吸器外科学会総会
  • [学会発表] 肺腺癌における癌幹細胞マーカー(Aldehyde dehydrogenase-1・CD133)の予後因子としての重要性2018

    • 著者名/発表者名
      小山倫浩、浦本秀隆、 田泰治、平井文子、竹中 賢、今西直子、市来嘉伸、山下直樹、宗哲哉、吉松隆、花桐武志、安田学、大崎敏弘、中西良一、田中文啓
    • 学会等名
      第70回日本気管食道科学会総会
  • [学会発表] 肺癌術後再発・上部胸椎浸潤により不全対麻痺と膀胱直腸障害を来した一例2018

    • 著者名/発表者名
      宗哲哉、山下直樹、比嘉花絵、宮田剛彰、下川秀彦、川野大悟、吉松隆、小山倫浩
    • 学会等名
      第59回日本肺癌学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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