研究課題/領域番号 |
18K08823
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小川 覚 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50636131)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 凝固因子 / 血液凝固 / 輸血 / 大量出血 / 周術期 |
研究実績の概要 |
本年度は、凝固因子補充療法におけるあたらしい候補となる凝固因子濃縮製剤の探索的研究を行なった。健常者から採取した血液検体を用いて作成された希釈性凝固障害モデルを用いた実験では、現在までにプロトロンビンと第VII因子、または第X因子の組み合わせがトロンビン生成量およびピークまでの時間が短いことが判明した。一方、このことは全血検体を用いた出血モデルでも全血凝固時間および血液粘弾性試験の測定でも同様のことが確認できた。このことは血小板を介した凝固止血反応においても候補となる凝固因子の組み合わせが適している可能性を示唆する結果である。また、遺伝子組み換え活性型第VII因子製剤を用いたVII因子単独と比較すると、1/6から1/8程度のVII因子を含有させたトロンビンまたは第X因子の混合物の方がトロンビン生成試験や全血凝固時間などの凝固プロファイルが優れていることが明らかとなった。このことは、血栓性合併症の発生率を低下させながら、高い止血効果を有する止血因子製剤の開発研究に寄与するものであると考える。さらには各種凝固因子の混合比を決定するための調整をおこなっているが、十分なトロンビン生成を得るための最適な混合比を決定するに至らず、そのために研究の遂行が遅延している。今後、安定した製剤モデルの作成方法が確立され次第にさらなる研究を発展させたい。作成された第II因子、 第V因子、第VII因子、第X 因子新規混合物を用いて、各種血漿およひ全血凝固時間測定をおこないたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は候補となる凝固因子濃縮製剤の作成を用いて実験を遂行する予定であったが、目的物質の混合を決定する段階で最適な混合比と混合後の候補製剤の安定性を得ることができなかった。そのため目的とした測定系でのデータ取得に難渋しており、実験の進捗が遅延してい る。
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今後の研究の推進方策 |
凝固因子混合比の決定と安定化に時間を要しているが、これらが解決され次第に研究発展を推進する。作成された第II因子、第V因子、第VII因子、第X因子 による新規混合物を用いて、今後は血漿およひ全血凝固時間および包括的血栓形成能の測定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、昨年度同様に研究対象の候補となる凝固因子濃縮製剤の作成を用いて実験を遂行する予定であったが、その予備実験において、最適な混合比と混合後の候補製剤の安定性を得られなかった。そのため実験の進捗が遅延している。モデルの作成が安定的に行われ次第にデータ取得を開始予定としている。
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