研究課題
症例数としては全部で400症例の集積を目指し、2019年度内に目標400症例中、289症例において疼痛関連臨床データとゲノムDNA試料の採取を終了した。前半200症例においてInfinium OmniExpressExome-8 BeadChip Kit (イルミナ社)等の高密度アレイを用いた約100 万箇所の網羅的SNPs ジェノタイピングを行って統計解析用の遺伝子データを準備し、術後痛など疼痛関連表現型と、約100万箇所のSNPsとの関連を検討するゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施し、表現型と密接に関連するSNPsを遺漏なく検出し、有力候補SNPs(causativeと考えられるSNPs)を同定する計画を立てた。また、後半症例ではGWASで見出された有力候補SNPsに焦点を絞ったTaqman法を用いた個別解析を行い、GWASの結果を追試する計画を立てた。症例数としては当初400症例の集積を目指していたが、350例で一定の成果が出せる目途がついたため、2019年度内に350症例の疼痛関連臨床データとゲノムDNA試料の採取し、それにて患者の募集を終了した。2019年度において科学研究費によって高密度アレイを購入し、前半200症例において術後痛スコアなどの疼痛関連表現型データと、約100万箇所の遺伝子多型(SNPs)との関連を検討するGWASを実施した。その結果、表現型と密接に関連するSNPsを遺漏なく検出し、有力候補SNPsが複数同定された。現在、後半150症例においてGWASで見出された有力候補SNPsに焦点を絞った解析をTaqman 法にる個別解析を実施する事によってGWASの結果を追試中である。
2: おおむね順調に進展している
350症例において疼痛関連臨床データとゲノムDNA試料の採取を終了し、これにて患者募集は終了した。科研費で購入した網羅解析用チップを使用し、200症例において全ゲノム領域の約100万箇所の遺伝子多型(SNPs)の網羅解析を実施し、いくつかの候補SNPsを同定した。後半150例において前半200例で検出された、候補SNPsに関して個別解析によって追試を施行中である。
2019年度内に350症例分の臨床データ及びゲノムDNA試料の収集を完了した。2020年度内に疼痛関連表現型に影響するSNPsの同定を完了させ、学会および論文で公表する予定である。
網羅的遺伝子多型解析用チップ(高密度アレイ)の価格が年々安価となっており、申請時に予測した金額より安価で購入できた。このため差額が生じた。2020年度に統計解析ソフト購入に充当予定がある。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件)
Gen Thorac Cardiovasc Surg.
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