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2021 年度 実績報告書

神経障害性疼痛における活性化アストロサイト由来Dセリンの作用

研究課題

研究課題/領域番号 18K08830
研究機関東海大学

研究代表者

伊藤 健二  東海大学, 医学部, 教授 (10317779)

研究分担者 吉川 正信  東海大学, 医学部, 准教授 (90276791)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード頭痛 / グルタミン酸 / Dセリン / マイクロダイアリシス
研究実績の概要

L-アミノ酸のエナンチオマーであるD-アミノ酸は、ヒトを含む哺乳類に存在し、中枢神経系や末梢組織における様々な生理機能に重要な役割を果たしている。脊髄内における疼痛伝達にはN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の関与が知られているが、その詳細なメカニズムは未だ解明されていない。近年申請者らは、モルヒネの約3-6倍の鎮痛効果を有するシアロルフィンがラット唾液腺より分泌され、ペプチド分解酵素阻害活性により内因性オピオイドペプチドの分解を阻害すること、ならびにシアロルフィンがミューオピオイド受容体のアロステリックモジュレーターとして機能して鎮痛効果を示すことを明らかにした。D-セリンは哺乳類脳内に多量に存在し、興奮性神経伝達物質グルタミン酸の受容体であるNMDA受容体の内在性リガンド(コアゴニスト)としてL-グルタミン酸によるNMDA受容体の活性化を増強することが知られている。D-セリンの中枢における機能については数多くの報告があるが、末梢臓器に対する作用についての報告はほとんどない。HPLCアミノ酸一斉分析により7週齢Wistar系雄性ラット耳下腺、顎下腺、舌下腺にD-セリンをはじめとする複数のD-アミノ酸が存在することを明らかにした。また、D-セリンはL-セリンをラセミ化するセリン異性化酵素(Serine racemase: Srr) により生成され、D-アミノ酸酸化酵素(D-amino acid oxidase; DAO)によりヒドロキシピルビン酸に代謝される。ラット唾液腺においてSrrとDAOの遺伝子がそれぞれ大脳皮質と小脳と同程度に発現していること、NMDA受容体サブユニット遺伝子が発現していること、などをRT-qPCRにより明らかにした。以上の結果より、唾液腺由来内因性D-セリンが唾液腺に直接作用し、唾液腺機能に関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Free D-amino acids in salivary gland in rat2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa M, Kan T, Shirose K, Watanabe M, Matsuda M, Ito K, Kawaguchi M
    • 雑誌名

      Biology

      巻: 11 ページ: 390-405

    • DOI

      10.3390/biology11030390

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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