研究課題/領域番号 |
18K08834
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
新井 健一 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50380316)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腸内細菌叢 / 疼痛感受性 |
研究実績の概要 |
健常成人女性40名を対象に,痛覚感受性および中枢性疼痛調節機能と,腸内細菌叢組成,心理状態(不安,カタストロファイジング)の関係を調べた。腸内細菌叢組成は、T-RFLPフローラ解析にて行った。DNA塩基配列の違いから制限酵素切断部位が異なることを利用し、検出ピークの強度、位置、数により評価・比較する断片多型性解析する。各分類群由来のDNA 断片がT-RFLP プロファイルとして得られ、細菌叢を評価する。一方、中枢性疼痛調節機能は,上行性疼痛伝達系の機能指標とされるtemporal summationと下行性疼痛抑制系の機能指標とされるconditioned pain modulationを用いて評価した。得られた値から,痛覚感受性,中枢性疼痛調節機能と腸内細菌叢組成の単相関分析を行い,さらに説明変数に心理状態を加え回帰分析を行うことで,腸内細菌叢が痛みの認知や調節機能に直接的に関与しているかを調べた。健常成人女性で腸内細菌叢の多様性と圧痛閾値、Aβ線維の感受性の指標とされる周波数2000Hzで刺激した際の知覚電流閾値に正の相関を認めた。この結果に対する論文を作成し、海外医学雑誌にアクセプトされる。 また、慢性疼痛患者250名において、疼痛強度と、腸内細菌叢組成,心理状態の関係を調べる計画で現在150名に実施できている。痛覚感受性や慢性痛の疼痛強度と腸内細菌叢組成の単相関分析を行い,さらに説明変数に心理状態を加え回帰分析を行うことで,慢性痛患者で腸内細菌叢が痛みの認知や調節機能にどのように関与しているかを調べている。症例数が増えてきたため有意な相関が明らかになり始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染に社会的な制限で、症例数が思うように伸びない状況であり、研究進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
慢性疼痛患者250名において、疼痛強度と、腸内細菌叢組成,排便状況,心理状態の関係を調べる計画で現在150名に実施できている。得られた値から,痛覚感受性や慢性痛の疼痛強度と腸内細菌叢組成,排便状況の単相関分析を行い,さらに説明変数に心理状態を加え回帰分析を行うことで,慢性痛患者で腸内細菌叢が痛みの認知や調節機能にどのように関与しているかを調べている。症例数が増えてきたため有意な相関が明らかになり始めているので、さらに、症例数を増やして、目標の250名に症例数を増やすように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染により、この研究で得られた知見を学会で発表する機会を失ったため。
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