アクアポリン(AQP)Knockdownとover-expression細胞株の確立と並行してブピバカインのT型カルシウムチャネル阻害による神経細胞死誘導の実験を行なった。また低酸素プレコンディショニングの条件確立を試みた。 低酸素負荷後に細胞が増える傾向を低酸素化がより厳密であるチャンバーを購入して再度検討した。現在の条件(1%低酸素負荷)では細胞数は増加を確認した。この状態が低酸素によるプレコンディショニングの状態が原因なのか検討中したが、おそらく低酸素に加え低血糖の状態を付加して虚血モデルでも確認できており、プレコンディショニングモデルを確立できたと考えている。 ブピバカインによる神経細胞死に関与するT型カルシウムチャネルのサブタイプを同定しその発生機序を検討した。MMT assay、Real-time PCRの手法により実験を行った。ブピバカインが濃度依存的、時間依存的にSH-SY5Y細胞死の誘導を確認した。ブピバカインの神経毒性が、ナトリウムおよびカリウムチャネル、T型以外のカルシウムチャネルには関係ないことも確認できた。T型およびL型Ca2+チャネル阻害薬であるmibefradilは濃度依存的に細胞死を誘導したと同時に、ブピバカインによって誘導された神経毒性作用も増強させた。SH-SY5Y細胞においてCaV3.3遺伝子は発現しているが、CaV3.2、CaV3.3遺伝子の発現は認めず、ブピバカインはCaV3.1遺伝子の発言を抑制した。以上より、SH-SY5Y細胞においてピバカインはCaV3.1遺伝子の発現を抑制し、神経細胞死を誘導したことが示唆された。
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