研究課題/領域番号 |
18K08845
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
橋場 英二 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (10374844)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ブドウ糖初期分布容量 / 心臓前負荷 / Stressed Volume / 敗血症 / 輸液 / 輸液反応性 |
研究実績の概要 |
過去の研究でブドウ糖初期分布容量(IDVG)は心臓前負荷の一指標と報告されており、本研究員らの検討で、豚エンドトキシン敗血症モデルで、経時的にIDVGが減少すること、その状態から輸液負荷でをするとIDVGは増加することから敗血症状態でも心臓前負荷の指標となることが示された。また、昨年度は、敗血症時に使用されるノルアドレナリンやバゾプレッシンなどの血管収縮薬のIDVGに与える影響について動物実験的に検討し、ノルアドレナリンはIDVGとCOを増加するが、バゾプレッシンはIDVGとCOを低下させることが判明した。また、本血管収縮薬の検討でIDVGとCOの間には、良好な相関関係があることも判明し(r=0.74、P<0.0001)血管収縮薬による心臓前負荷の変化も捉えていることが示唆された。IDVGは中心部細胞外液量を示すと考えられていたが、これはガイトンの提唱する輸液負荷や輸血、静脈系血管の収縮拡張による血液のプーリング量、そして静脈還流抵抗抗によって変化するstressed volumeと関係していることが強く示唆された。 令和2年度は、臨床研究として敗血症患者における初期治療時の輸液反応性とIDVGの関係の検討する予定であった。しかし、全国的なコロナ感染症の蔓延のため本研究者の勤務する集中治療室での研究の遂行が難しかったため研究を推し進めることができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度は、弘前大学動物実験施設の改修工事のため動物実験ができなかった。また、全国的なコロナ感染症の蔓延とその対応で、所属する集中治療室勤務が激変し研究をする物理的、精神的な余裕がなくなり、研究を推し進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長を認めていただいたため、改めて臨床研究として敗血症患者における初期治療時の輸液反応性とIDVGの関係の検討する予定である。 また、IDVGとStressed Volumeの関係を追及するため、動物実験的に人工呼吸のPEEPレベルとIDVGの関係も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症関連の臨床対応で研究の遂行ができなかったため。次年度は、継続して胸腔内圧のを変化させ、Stressed Volumeを変化させた時のIDVGとの関係を検討する動物実験と臨床研究を行う。
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