研究実績の概要 |
液滴接触二重膜法(Contact Babble Bilayer法;CBB法)を用いて、KcsAチャネルの電流記録を行いつつ、そこにセボフルランを投与し、チャネルへの影響を検討した。通常、CBB法ではヘキサデカン内に脂質(アゾレクチン2mg/ml)とチャネルを混合した200mM KCL電解質溶液(一方の水滴はpH7.5,反対の水滴はpH4.0)をピペットから吹き出し、モノレイヤーを作成し、二つのバブルを貼り合わせることで脂質二重膜を作成する。KcsAチャネルは酸性で開口するため、バブルの液を酸性と中性で貼り合わせれば開口するチャネルの向きを一方向にそろえることが可能となる。その状態でチャネル電流記録を行った。はじめての試みであるため、セボフルランの吹きかけではなく、あらかじめ濃度調整したセボフルランを水滴を膨らませるヘキサデカンオイルに混入させて実験を行った。次に、オイル相からセボフルランを吹きかけて、チャネルへの影響を検討した。濃度依存的にチャネルを閉じさせる傾向であった。セボフルランは揮発性であるため、吹きかけのピペットから揮発するのを防ぐため、ピペットに充満させたセボフルラン入ヘキサデカンの上をnanopure水で覆った。濃度は0.3mM, 0.4mM, 0.5mM, 1mM, 2mMで行った。セボフルランの濃度が高いと、脂質二重膜が割れることが多かったが、KcsA_E71Aチャネルに対しては、チャネルを閉じさせる傾向にあった。
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