研究実績の概要 |
CBB法で脂質二重膜に効果がある麻酔薬の吹きかけを濃度依存性に行った。代表例であるカプサイシンを投与し、膜厚と膜張力を測定した。チャネルが入った脂質二重膜に向けて、油相から細いピペットを二つ用いて、カプサイシンと対照としてヘキサデカンを吹きかけた。麻酔薬は脂溶性であるため、容易に油相から脂質二重膜へと分配する。 カプサイシンを吹きかけるとKcsAチャネルの活性が抑制され、ヘキサデカンを吹きかけるとKcsAチャネルが活性化され、カプサイシン投与で可逆的にチャネル活性が抑制できることを確認した。カプサイシンの濃度を0.1,3,30,100,500uMと変化させチャネルに投与したところ、濃度依存性がチャネルが抑制された。膜厚については、何も投与していない脂質二重膜の膜厚は、28.6Åであり、0.1,3,30,100,500µMとカプサイシンを投与した際の膜厚は、約30Åと変化を認めなかった。しかし、張力については濃度依存性があり、何も投与していない脂質二重膜の張力は、4.7 mN/mであり、0.1,3,30,100,500uMとカプサイシンを投与した際の張力は、3uMで3.9 mN/m、30uMで3.5 mN/m、100uMで2.6 mN/mとカプサイシンの濃度が濃くなるにつれて、張力が低くなったことが分かった。
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