研究実績の概要 |
Dahl 食塩感受性ラットならびに非感受性ラットに高食塩食を5週齢から11 週齢まで与え、食塩感受性ラットでは収縮期血圧200mmHgを超える高血圧を発生していることを確認した。デスフルラン6%麻酔下に気管切開、静脈路、動脈路を確保し、胸骨縦切開で心臓を露出した。Rapid pacingのために右室心外膜に双極針電極を穿刺し500 beats/minで行えることを確認した。 32極マッピング電極をmicro manipulatorに装着して循環抑制が生じず良好な心電図が導出される接触が得られるように調節して左室前側壁表面に接触させ、ペーシング前後のアクティベ-ションタイム(AT)、リカバリータイム(RT)、アクティベーションリカバリーインターバル(ARI)をそれぞれの電極から導出された心電図で測定し、同時にAT等時図、 AT等電位図、RT等時図、ならびにARIマップを作成して比較検討した。また、ペーシング終了後の自発心拍出現時間、血圧、心拍数の回復過程も観察した。デスフルラン6%、プロポフォール40mg/kg/hr、デクスメデトミジン5μg/kg/hr間では、AT, RT, ARI には食塩感受性の有無で差を認めなかったが、プロポフォール、デクスメデトミジンでは、自発心拍出現時間や循環の回復が遅延する傾向がみられた。 次に、同様の前処置をしたラットで、ヘパリン100U静脈内投与後に上行大動脈の距離を十分残して心臓を摘出し直ちにランゲンドルフ装置に装着し95%酸素、5%二酸化炭素でbubblingしたKrebs-Henseleit液で等圧灌流した。右室に双極ペーシング電極、左室内にラテックスバルーンを挿入し、micro manipulatorでマッピング電極を同様の条件で接触させ、Rapid pacing前後のAT, RT, ARI, ならびに左室圧、dP/dTを測定した。
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