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2018 年度 実施状況報告書

microRNAを介した全身麻酔作用機序の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K08870
研究機関日本医科大学

研究代表者

石川 真士  日本医科大学, 医学部, 講師 (30714745)

研究分担者 坂本 篤裕  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30196084)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード麻酔 / microRNA
研究実績の概要

全身麻酔はその使用経験、臨床研究の結果に基づき使用されているが、分子生物学的検討が行われることは少なく、その機序は不明な点が多い。麻酔薬による各臓器、癌への影響を検討することは、周術期管理の安全だけではなく長期予後の改善につながり、未だ詳細が不明な麻酔薬の機序を明らかにする一助になると考えた。
microRNA(miRNA)はmessenger RNA(mRNA)の翻訳制御など遺伝子発現を調整する機能を有する。これまで我々はmiRNA発現に関して、肝臓、肺、脳および血液において包括的に測定し、吸入麻酔薬セボフルランや静脈麻酔薬プロポフォールによる影響をそれぞれの臓器において検討した。すべての臓器において、麻酔薬により50~80%のmiRNAに発現変化を認めた。また、血液試料では筋肉特異的miRNA発現が減少し、一方で、骨格筋や心筋では増加し、骨格筋障害や心筋障害時のパラメータへの応用およびの機序解明の一助となることも推察された。これら結果より、各miRNAの発現変化がもたらす生物学的な影響の検討、さらに、臓器障害、癌など疾患に対する影響の検討が新たな課題となった。
本研究では、悪性高熱症、プロポフォール注入症候群など麻酔薬が障害を与える可能性のある筋組織への影響や、臓器障害時に麻酔薬がどのように作用するのか分子生物学的に検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究においては、①臨床応用に向けた血液中変動miRNA と筋障害機序解明、②腎虚血再灌流障害に対する麻酔薬作用の解明、③癌細胞に対する麻酔薬作用の解明をテーマとしている。
本年度において麻酔薬の筋障害の機序解明、腎虚血再灌流障害における作用解明について検討した。筋障害の解明については、サンプルを採取後に遺伝子プロファイリングを実施。現在、発現変化を認めたmiRNAを探索している。腎虚血再灌流モデルにおいてはモデルを確立しサンプルの採取を終えた。現在は遺伝子プロファイリングを進めている。

今後の研究の推進方策

今後の予定としては筋障害、腎虚血再灌流モデルともに遺伝子プロファイリングを進め、それぞれに関与するmiRNAを明らかにする。その他、病理学的検討あるいはタンパク発現など他の手法を用いて、麻酔薬の作用へのmiRNAの関与を明らかにする。

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公開日: 2019-12-27  

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