難治性慢性疼痛に対する新たな鎮痛薬としての選択的Nav1.9阻害薬の開発に貢献するために、Nav1.9の抑制機序を分子レベルで解明する実験計画を立てたが、その機能的発現が困難であった。そこで、その他のサブユニットに対する新たな鎮痛薬となりうる薬物の影響解析を行った。その結果、向精神薬であるクロルプロマジン、鎮咳薬であるカルベタペンテン及びベンゾナテートが、神経系に発現する電位依存性ナトリウムチャネルαサブユニットNav1.2、Nav1.3、Nav1.6、Nav1.7、Nav1.8機能を濃度依存性に抑制することを発見した。これらの結果は、これら薬物が新たな鎮痛薬となり得る可能性を示唆している。
|