研究課題/領域番号 |
18K08881
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
東 晶子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (70802586)
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研究分担者 |
松村 洋輔 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00466707)
織田 成人 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90204205) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | REBOA / 心肺蘇生 |
研究実績の概要 |
健康なブタに動静脈カテーテルおよびREBOAカテーテルを挿入し、それぞれバルーンより近位および遠位での動脈圧波形をモニタリングできるようにした。遠位の動脈圧波形が消失するときのバルーン容積を100%とし、0~100%まで20%ずつバルーン容積を変化させていき(大動脈の遮断強度を上げていき)、それぞれのタイミングで頚部の造影CTを撮像した。4Dイメージを再構築することにより、各遮断強度における頚部の血流を可視化した。 次にテンポラリーペースメーカーを右室内でショートさせることにより心室細動を惹起させ、心原性心停止モデルを作成した。それらに対し、通常の蘇生方法(機械的胸骨圧迫とアドレナリン投与、AEDによる除細動)を行う群と、REBOAをinflateした上で通常の蘇生方法を行う群に分けてそれぞれ蘇生行為を実施した。蘇生中のバルーンより近位側の動脈圧モニタリングや頚部動脈の造影CT撮像し両群の差を検討した。 上記の操作を6頭で実施し、うち最初の1頭はモデル作成用のものとして5頭分のデータで解析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
造影CTで得られたデータの解析に際して、もともとのワークステーションで計測した数値では不十分であり新たに画像処理ソフトウェアを使用する必要が生じた。その操作法の習得および解析に追加の時間を要している。 心停止前のモデルに関してはおおむね解析終了しているが、造影剤のdensity変化に圧モニタリングの結果と矛盾する点があった。Densityは間接的な指標であるため解釈するにあたり追加の動物実験が必要と考え検討中である。 心停止後のモデルに関しては、胸骨圧迫をしながらのCT撮像であったためアーチファクトが大きく、またTime density curveを描くうえで測定点のずれがありこれらを補整する方法を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
CTデータの解析に関しては、画像処理ソフトウェアを用いて追加の処理が行えるようになったため、解析を進めていく。心停止前モデルについては追加の実験を行い、その結果も合わせて論文を投稿する。心停止後モデルに関しては画像処理上の問題点を解決し、論文を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
心停止前モデルの結果解釈のため追加の動物実験が必要と考えられたが、本年度は新型コロナウイルスの影響もあり実験施設の利用が制限されており次年度に持ち越しとなった。またこれらの結果をふまえて論文を投稿予定であり、研究費を使用予定である。
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