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2018 年度 実施状況報告書

ヤマカガシ咬傷におけ抗毒素の代替薬としてのトロンボモジュリン製剤の効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K08890
研究機関聖路加国際大学

研究代表者

一二三 亨  聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 副医長 (30383756)

研究分担者 山本 明彦  国立感染症研究所, バイオセーフティ管理室, 主任研究官 (30142144)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードヤマカガシ咬傷 / 血清療法 / 抗毒素 / DIC / リコモジュリン
研究実績の概要

ヤマカガシ抗毒素は、2000年に製造されたが、その使用期限は10年間であり、2017年おいてすでに7年間その使用期限を超過している。現在、ヤマカガシ抗毒素の再製造については目途がたっていないため、いつ現在保管しているヤマカガシ抗毒素の効果が失活化してもおかしくない状況を考えると、その代替薬を検討することは急務である。ヤマカガシ毒は、極めて特異的な凝固活性(プロトロンビンアクチベーター)を持ち、トロンビンに特異的に作用してトロンビンの異常活性からフィブリノーゲンが消費され、消費性凝固障害から線溶亢進型DIC(disseminated intravascular coagulation, 播種性血管内凝固症候群) を引き起こす。リコンビナントトロンボモジュリンは、トロンボモジュリン遺伝子組換え製剤であり、すでにDICに対して本邦で保険承認された薬剤であり、DICに対する転帰の改善の報告が散見される。本研究ではヤマカガシ咬傷に対する現行のヤマカガシ抗毒素に対する代替治療として、リコンビナントトロンボモジュリンによる治療法の確立を行う。
リコンビナントトロンボモジュリンがヤマカガシ咬傷モデルラットに対して一定の効果が認められた場合には,さらにその投与量や投与開始までの時間など,ヒトへの臨床応用にむけた詳細な検討を行う。リコンビナントトロンボモジュリン用いた臨床医療に直結した治療法を確立し,死亡率を画期的に改善すると考える。リコンビナントトロンボモジュリンは本邦ではすでにDICに対して保険認可されているため,その安全性はすでに確立されている。ラットを用いて、ヤマカガシ咬傷モデルを作成しリコンビナントロンボモジュリンの効果の検討を行うための第一段階としてラットヤマカガシ毒素モデルの作成を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラットにヤマカガシ毒素を投与し、drasticな凝固線溶系マーカーの変化を捉えることができるラットヤマカガシ毒素モデルを作成した。ほぼ予定通りではあるが、一部線溶マーカー(FDP)の変化を現状の測定系では捉えきれていない。そのため、試薬を変更したり、著名な研究者に相談したりして、確実なFDP値の変化を捉えることができる測定系を現在検討中である。この段階をクリアすることができれば、リコンビナントロンボモジュリンを含むさまざなま薬剤(抗DIC薬)とヤマカカガシ抗毒素の効果の比較が可能になる予定である。
また著名な研究者との議論の中からヤマカガシ毒素の作用がプロトロンビンアクティベーターだけではなく、一次線溶への作用がある可能性が明らかになった。

今後の研究の推進方策

線溶系マーカーの変化が確実に得られる測定系を確保した後に、薬剤の介入試験を行う予定である。ヤマカガシ毒素の作用を深めて行く過程においてリコンビナントロンボモジュリンを含むさまざなま薬剤(抗DIC薬)の検討を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

ラットヤマカガシ毒素モデルの確立に時間を要しているため

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ヤマカガシ咬傷におけるヤマカガシ抗毒素の代替薬としてのリコンビナントトロンボモジュリンの効果の検討2018

    • 著者名/発表者名
      一二三亨、山本明彦
    • 学会等名
      日本救急医学会総会
  • [学会発表] ヤマカガシ咬傷2018

    • 著者名/発表者名
      一二三亨
    • 学会等名
      日本血栓止血学会学術標準化委員会シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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