研究課題/領域番号 |
18K08897
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50295789)
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研究分担者 |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脳蘇生 / 脳虚血 / SOD |
研究実績の概要 |
心肺蘇生法の啓蒙により蘇生率は上昇しているが、逆に蘇生後脳症が問題となっている。その脳障害の成因の一つにSuperoxideを主としたフリーラジカルによる虚血再灌流障害があげられる。近年放電プラズマ法により環境中に容易にSuperoxideを含むクラスターイオン(02-(H2O)n)を作成することが可能であるが、このレベルのSuperoxideは組織障害をもたらさずに生体のSuperoxide dismutase (SOD)活性を上昇させる可能性がある。これを利用すれば生体は再灌流障害に対する耐性を獲得できる可能性がある。当研究の目的は虚血前のSuperoxide含有環境暴露がSOD活性を上昇させ脳虚血再灌流障害を軽減するかを検討することであり、また、虚血後からのSuperoxide含有環境暴露のSOD活性と脳虚血再灌流障害への影響も検討することを目的としている。今年度はこの研究遂行を目的に虚血モデルの安定性の確立に従事した。さらに、SOD活性測定のターゲットである海馬からのSOD抽出法の確立に従事した。来年度は行動実験や組織学検討、SOD測定を実際に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳虚血モデルの安定性の確立に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
脳虚血モデルの安定した確立とSOD測定を実際に行う。これらが確立したのちスーパーオキサイドリッチ環境と通常環境での海馬SOD活性を測定する。また、スーパーオキサイドリッチ環境と通常環境での脳虚血に対する組織学的変化、行動学的変化への影響を観察し始める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
進行状況にも書いたが実験計画がやや遅れているため。特にSOD活性測定系の確立が未だなっていないことによるものが多い。
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