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2022 年度 実績報告書

実験的敗血症侵襲下でのIL6 signaling制御による臓器保護の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 18K08898
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

小野川 傑  埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (90224287)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード敗血症 / IL6 signaling / 肺障害 / 低体温
研究実績の概要

血中可溶性IL-6レセプター(sIL6R)を介したIL6 signalingを利用した臓器保護の可能性を検討する目的で、盲腸結紮穿孔(CLP)マウスを用いて敗血症侵襲下でのIL6 signalingの有用性について検討してきた。
敗血症での低体温は予後不良であることはよく知られている。CLPマウスでも術後24時間で約40%が35℃以下であった。生理的に生じるIL6 signalingを遮断する目的でのrecombinant gp130 Fc chimera proteinの投与(gp130群)は、CLP群よりも中等度低体温の割合が増加した。このことから敗血症侵襲下でIL6 signalingが体温維持に重要であることが推測された。以前よりsIL6Rが術後まもなく血中から減少することを掴んでいたことから、recombinant IL6Rの投与(IL6R群)で復温が可能ではないかと考え、試みたところ、予想通り低体温を示す個体を認めなかった。よって、侵襲後のsIL6Rの減少時期にIL6Rを補うことにより、その後の状態を変えられることが示唆された。
そこでCLP後の臓器障害について検討した。術後24時間のLDは術前と比べCLP群で4.2倍、gp130群で5.7倍増に対して、IL6R群では1.5倍増に抑えられた。肺障害ではSurfactant protein-DとMMP-9はIL6R群が最も低値を示した。
sIL6Rは術後3時間以降低下することから、急激な侵襲での血管透過性亢進による漏出を疑い、血中と肺のIL6R量を比較した。術後3時間以降血中IL6R量は急減した一方、肺では増加した。血管透過性亢進の指標としての血中アルブミンはgp130群が低値、IL6R群が高値で推移した。
以上より敗血症侵襲下のIL6 signalingは体温維持、それに付随した間接的な臓器保護の役割が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 臓器障害を伴う全身性炎症反応の重症化予測を目的としたIL6レセプター測定の基礎的検討2022

    • 著者名/発表者名
      小野川 傑
    • 学会等名
      第50回日本救急医学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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