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2020 年度 実績報告書

外傷急性期の線溶亢進から線溶抑制への病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K08905
研究機関北海道大学

研究代表者

早川 峰司  北海道大学, 大学病院, 准教授 (10374282)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード線溶 / 外傷
研究実績の概要

重症外傷の急性期における線溶活性化、その抑制、およびそのバランスの変化は、まだ十分に解明されていない。そこで本研究では、重症鈍的外傷モデルラットを用いて、外傷後数時間における線溶活性化、その抑制、およびそれらのバランスの経時的変化を明らかにすることを計画し実施した。
麻酔後、Noble-Collip drumにより重症鈍的外傷を受傷させたラットモデルを用いた。Control(外傷なし)、外傷受傷直後(0分後)、60分後、180分後の4群(各7匹)から血液と各種臓器を採取した。
外傷受傷後、凝固の活性化の指標である可溶性フィブリンは経時的に増加していた。
外傷受傷直後には、tissue-Plasminogen Activator (tPA)が大量に放出され、Plasminogen Activator Inhibitor-1(PAI-1)の抑制効果を上回り、線溶は活性化側に傾いていた。この事象を反映して、外傷受傷直後の活性型tPAと活性型PAI-1の比率は、Controlの比率を上回っていた。
各臓器におけるPAI-1の産生は外傷受傷後に徐々に増加し、その結果として、血漿中の活性型PAI-1濃度は指数関数的に増加していた。そのため、鈍的外傷受傷から数時間後には線溶反応が強く抑制されていた。活性型tPAと活性型PAI-1の比率は経時的に低下していた。
Plasmin-α2 Plasmin Inhibitor Complex(PIC)レベルの上昇は受傷後60分以上継続して観察されたが、これはPICの半減期が長いため、受傷直後のPIC上昇の名残を見ているだけであると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Microparticles and Nucleosomes Are Released From Parenchymal Cells Destroyed After Injury in a Rat Model of Blunt Trauma.2020

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa M, Ooyasu T, Sadamoto Y, Saito T, Yoshida T, Katabami K et al.
    • 雑誌名

      Clin Appl Thromb Hemost.

      巻: 26 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1177/1076029620950825

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 外傷直後の凝固の活性化と線溶反応の推移~ラット多発外傷モデルからの考 察~2021

    • 著者名/発表者名
      早川峰司
    • 学会等名
      35回日本外傷学会総会学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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