研究課題
基盤研究(C)
外傷直後に、血漿中の総tissue-plasminogen activator (tPA)濃度は有意に上昇し、血漿中の活性型tPAと活性型plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)のバランスは線溶活性に大きく傾いていた。外傷後には、様々な臓器でtPAとPAI-1の両方のレベルが徐々に上昇し、血漿中では活性型および総PAI-1レベルが指数関数的に上昇した。血漿中のtPA濃度は、外傷後60分でコントロール群と同等のレベルに急速に戻った。
救急医学
外傷直後の線溶系の変動を詳細に解明することが出来た。この病態の解明により、現在広く行われている重症外傷直後の抗線溶薬の投与方法に関して、①早期投与は妥当であること。②その後の長時間にわたる持続投与は不要である可能性があることが、示された。今後のさらなる検討により、適切な抗線溶薬の投与方法が明らかになるかもしれない。