研究実績の概要 |
血管透過性とEMPsの関連について検証した。HUVECsを培養したのちに、血管透過性を修飾する因子によるpre-treatmentをしたのちにTNF-αによる炎症性刺激を加え、培地を回収してMPsを精製しフローサイトメーターでPECAM+EMPs, VE-cadherin+EMPs, E-selectin+EMPs, ICAM-1+EMPS, VCAM-1+EMPs数を測定した。血管透過性修飾因子としてangiopoietin-1, VEGF, PGI2を用いた。PECAM+EMPsとVE-cadherin+EMPsはangiopoietin-1とPGI2のpre-treatmentによって放出が有意に抑制され、VEGFのpre-treatmentによって放出を増加させた。一方で接着分子を発現するE-selectin+EMPs, ICAM-1+EMPs, VCAM-1+EMPsの放出は,血管修飾因子のpre-treatmentによって放出量に変化がなかった。 実際に血管透過性修飾因子によってTNF-α刺激による血管透過性が変化したかは、蛍光標識デキストランを用いた透過性試験、TEER(trans-endothelal electronic resitance)試験によって確認した。HUVECsをgelatinコーティングしたトランスウェルで72時間以上培養し、monolayerを形成させた。その後、血管透過性修飾因子によるpre-treatmentとTNF-αによる炎症性刺激を加えたところ、angiopoietin-1とPGI2は有意にTNF-αの透過性亢進を抑制し、VEGFは有意に増強した。 上記の結果より、PECAM+EMPsとVE-cadherin+EMPsは、血管透過性の変化に一致し放出が増減し、血管透過性の指標になり得ることが示された。
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