血管内皮は炎症や虚血再灌流障害の際に重要な役割を果たし、様々なシグナル伝達を介してメディエータとして働いている。生体内では血管内に血液が流れることによりシェアーストレスがかかり、血管内皮細胞が様々な反応を起こしている。しかし今まで報告されている血管内皮細胞を用いた研究では静止モデルが使われており、灌流したものはほとんどない。我々は実際に培養開始時期から血管内皮細胞に対して灌流を行い、シェアーストレス下に生体の血管内皮に類似した細胞を作成した。今後、このモデルを更に発展させて高血糖や高酸素のストレス下での実験を実現できれば、臨床での重症病態を再現でき、病態の解明に役立つことが期待できる。
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