研究実績の概要 |
最終年度はこれまでの予備データから早期後遺症マーカーとして最も判別が高いと考えられたGDF-15に関して, 発熱に伴うけいれん重積(FSE)(n=37)と,対照群単純型熱性けいれん(n=8)での検討を行った.FSEでは発作後のGDF-15の中央値と四分位範囲は6時間以内で1,065 (702, 1,787),6-12時間以内で2,720 (1,463, 5,264),12-24時間以内で2,411 (1,210, 6,488)であった。神経学的既往のないFSE21例の発症6時間以内のGDF-15(1,587 pg/mL [693, 2,470])は、単純型熱性けいれん(411 pg/mL [321, 633]; p<0.01)より有意に高かった.またFSEの発症6時間以内GDF-15は,後遺症あり (n=5)(中央値15,898 pg/mL [2,997, 33,548])では,後遺症なし(n=16)(中央値756 pg/mL [682, 1,632] よりも有意に高かった(p=0.0011).網羅的炎症性脂質メディエーターについて,最終転帰AESD 2例,HSES 3例,AERRPS 2例と対照群での検討を行った.コントロールと比べて,結果に一定の傾向は見られなかった. FSE連続580例の(18歳未満)の臨床データとカルテをレビューし、AESDと後遺症の予測におけるclinical prediction rule(CPR)のパフォーマンスを測定した。結果:CPRは、0.84~0.88のAUCでAESDを予測した。後遺症のTada、Yokochi、Nagaseの基準の陽性的中率は、それぞれ0.28、0.28、0.17, 陰性的中率は、それぞれ0.97、0.95、および0.98であった.
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