研究課題/領域番号 |
18K08922
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
竹内 一郎 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90327346)
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研究分担者 |
内山 宗人 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00384842)
西井 基継 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20383573)
安部 猛 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (80621375)
小川 史洋 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (80383610)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自己免疫 / 心筋炎 / 心筋症 / インターフェロン制御因子 |
研究実績の概要 |
活動性心筋炎を基盤とした拡張型心筋症は難治性急性心不全を引き起こし、大部分の症例で人工心肺および心移植を必要とする。したがって、その治療は世界的課題となっている。これまでの多くの臨床および基礎研究から、その病態進展の主要な機序としてウイルス感染後自己免疫応答が想定されてきた。本検討では、この一連の免疫過程を網羅的にコントロールできる治療標的として転写因子インターフェロン制御因子 (IRF)ファミリーに注目した。まず、心筋ミオシン免疫により自己免疫性心筋炎を誘発し、その後自然経過で慢性期拡張型心筋症への移行を引き起こすマウス心筋炎・心筋症モデルを確立した。この動物モデルを用いて、経時的にIRFタンパク発現を解析した。結果、IRF-7およびIRF-9発現はそのリン酸を含め有意な変動を示さなかった。また、IRF-3発現はそのリン酸化も含めて、ミオシン免疫拡張型心筋症期において低下していた一方、IRF-5発現およびその二量体発現は増加していた。さらに、免疫染色にて、心筋組織浸潤免疫細胞においてIRF-5発現が認められ、特に核内のIRF-5が同定された。心筋症の進展おいてTh17T細胞が重要な役割を果たしていることが知られており、本モデルにおいても、ミオシン免疫心筋組織においてIRF-5と共にTh17転写因子であるRORgamma発現が認められた。したがって、IRF-5シグナルの心筋炎後心筋症進展における重要な役割が考えられた。これらの結果に基づいて、遺伝子改変動物も用いて、心筋炎心筋症におけるIRF-5の機能的役割を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物モデルの作成に成功しており、その解析から可能性のある具体的な標的分子が同定されている。
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今後の研究の推進方策 |
当初は、インターフェロン制御因子ファミリ(IRF)ーの中でもIRF-3/7/9に注目していたが、これまでの解析結果からIRF-5が病態解明の有力な候補であることが明らかとされたことから、IRF-5の難治性心筋炎心筋症における治療的意義の解明も行う。今後は、IRF-5遺伝子改変動物も用いて、心筋炎心筋症の病態解明を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は、インターフェロン制御因子ファミリ(IRF)ーの中でもIRF-3/7/9に注目していたが、これまでの解析結果からIRF-5が病態解明の有力な候補であることが明らかとされたことから、IRF-5の難治性心筋炎心筋症における治療的意義の解明する。そのため、当初の予定よりも使用する時期を延伸したため。
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