研究課題/領域番号 |
18K08931
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
穂刈 正昭 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (30622807)
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研究分担者 |
川堀 真人 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (50399870)
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
寳金 清博 北海道大学, 保健科学研究院, 特任教授 (90229146)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | moyamoya病 / 遺伝子多型 / 浅側頭動脈 |
研究実績の概要 |
昨年の検討において、モヤモヤ病患者のにおいてピロリ感染は確認できなかったが、遺伝子多型と浅側頭動脈の構造変異について検討し、①正常対象1例、モヤモヤ病(②RNFホモGG5例、/③ヘテロAG5例)で以下の染色結果を得ている。 (A) エラスチカマッソン染色(弾性板と膠原線維の染色):③AG>②GG>>①nonモヤで硬化性内膜肥厚がある(粥種ではなく、圧負荷による脆弱性が考えられる)。(B) コラーゲンIおよびコラーゲンIV:②GG=③AG<①nonモヤで、モヤモヤ病患者で発現が低下している。(C) EGFR(平滑筋の異常を染色):どの群も変わりなし。(D) VEGF(平滑筋由来のサイトカイン):②GG=③AG<①nonモヤで、モヤモヤ病患者で発現が低下。(E) vWF(内皮および内皮下コラーゲンの損傷評価):どの群でも変わりなし。(F) βcatenin(細胞間接着因子でカドヘリンと複合体形成、炎症性反応性変化):どの群でも発現していない。(H) CD31(内皮細胞):ほとんどのモヤモヤ病患者で剥がれている。(I) Tie-2(血管新生促進因子):②GG=③AG>①nonモヤでモヤモヤ病患者で発現が亢進。(J) VCAM/Cadherin(細胞接着因子):(I)で内皮がほぼ剥がれていてデータとしては使えない。(K) α-SMA(平滑筋):どの群も変わりなし。結論としてエラスチカマッソン染色においてモヤモヤ病と健常成人に大きな変化を認めた。浅側頭動脈と遺伝子異常については今までに知られておらず、全く新たな発見となり得ると考えられた。今後症例を追加して免疫染色を行う事で今回認められた現象が追試出来るかを確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
染色方法の確立と少ないながらも確実な傾向が見い出すことに成功したため
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今後の研究の推進方策 |
浅側頭動脈の採取と遺伝子検査を進め、各群10例以上で解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
切片作成および免疫染色を進めるための研究資金として使用する
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