研究課題
4次元コンピュータグラフィックスを用いた脳神経外科手術検討法を開発しその有用性を検証した。研究計画は予定通り達成し、研究遂行に遅れはみられなかった。Phase-contrast MR angiographyと融合3次元画像との位置合わせ手法を独自に開発した。位置合わせ誤差は1.69mmであり既存手法よりも有意に精度が高かった。本成果に関して論文投稿し受理された。提案手法を用いて脳動脈瘤の壁の厚さを推定する方法を考案し、動脈瘤内の血流と動脈瘤壁とに相関があることを発見した。本成果を論文投稿し受理された。脳動静脈奇形における出血群と非出血群において、血流解析結果に出血側と非出血側とで左右差があること発見した。本成果に対して論文投稿した。以上の3つが本研究での顕著な成果であった。その他にも複数の疾患に対して提案手法を適用し、病態や治療効果の機序解明に資する可能性が示唆された。本研究の学術的意義としては、生体データにおけるスカラーとベクトルの位置合わせ手法を確立したことである。本法はスカラー形状とベクトルとの中心領域をレジストレーションするものであり、これは管腔構造を流れる層流の特性を反映している理論的整合性の高いものである。また、本法は医療以外のあらゆる流体解析へ応用できる可能性がある。in vivoデータと仮想データの融合方法を開発したという点でも研究意義が高い。社会的意義としては、提案手法によってこれまで不可能とされてきた複雑な形状を有する疾患への時空間的な流体解析が可能となり、病態解明、治療効果判定、および手術検討への有用性が示唆されたことである。研究期間中に学会発表10回と2編の論文が受理され、学術成果的にも充分な達成度であった。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
Journal of Medical Imaging and Health Informatics
巻: 11 ページ: 1-7
World Neurosurgery X
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.wnsx.2021.100098. eCollection 2021 Apr.