学術的意義としては、生体データにおけるスカラーとベクトルの位置合わせ手法を確立したことである。本法はスカラー形状とベクトルとの中心領域をレジストレーションするものであり、これは管腔構造を流れる層流の特性を反映している理論的整合性の高いものである。また、本法は医療以外のあらゆる流体解析へ応用できる可能性がある。in vivoデータと仮想データの融合方法を開発したという点でも研究意義が高い。社会的意義としては、提案手法によってこれまで不可能とされてきた複雑な形状を有する疾患への時空間的な流体解析が可能となり、病態解明、治療効果判定、および手術検討への有用性が示唆されたことである。
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