研究課題/領域番号 |
18K08943
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西原 賢在 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20452493)
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研究分担者 |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10379399)
田中 一寛 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70467661)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | グリオーマ / SIRPa / CD47 / マクロファージ |
研究実績の概要 |
膠芽腫の組織をCD163, CD204などのマクロファージマーカーで免疫染色すると、多数のマクロファージ (TAM) が浸潤しているおり、IL-10、STST3などの蛋白発現が上昇していたので、これらのマクロファージは貪食作用を示すM1タイプであるよりは免疫寛容状態となっているM2タイプであることが判明した。膠芽腫の髄液中には他のグリオーマに比較してIL-6が高値であり、マクロファージを膠芽腫の髄液に暴露させると、positive feedbackからIL-6の発現が上昇し、細胞の移動能・浸潤能が亢進し、STAT3の発現が上昇した。これらはIL-6の中和抗体にて抑制されたことから、髄液中サイトカインがマクロファージを活性化していることが明らかとなった。 次に、グリオーマにおいてSIRPa、CD47の発現を免疫染色で解析すると、正常のと比較してlow grade gliomaではほぼ同等であり、high grade glioma特に膠芽腫などでは正常脳と比較してSIRPaの発現は低下しており、またCD47の発現も膠芽腫では低下していた。一方、マクロファージにおいてはSIRPaの発現は低下しているものの、CD47の発現は維持されてた。これらのことは膠芽腫においてはSIRPs/CD47シグナルの抑制のみでは不十分の可能性が高く、他の抗体、具体的にはPD1抗体あるいはWT1抗体などの補助抗体が必要である可能性が高いことを示唆する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グリオーマでのSIRPa, CD47の発現を詳細に検討し、今後の方向性を確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
マウスのSIRPa中和抗体(MY-1)をハイブリドーマから抽出、精製し、マウスの膠芽腫細胞およびマウスのマクロファージと共培養して、SIRPaの抑制効果を検討する。 また、マウスに膠芽腫細胞を移植したモデルで、SIRPaの中和抗体の抗腫瘍効果について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の納入が遅くなってしまったため。消耗品として使用する予定です。
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