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2020 年度 実施状況報告書

腫瘍関連マクロファージ免疫チェックポイント阻害による新規膠芽腫治療法の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K08943
研究機関神戸大学

研究代表者

西原 賢在  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20452493)

研究分担者 篠山 隆司  神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (10379399)
田中 一寛  神戸大学, 医学研究科, 講師 (70467661)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード腫瘍関連マクロファージ / 免疫チェックポイント / 膠芽腫 / SIRPa / CD47
研究実績の概要

膠芽腫内の腫瘍関連マクロファージ(TAM)の浸潤程度を検証すると、膠芽腫組織内のTAM浸潤率(CD163陽性率)は4-75%(平均値:23.6±18.5%)であった。CD163陽性のTAMは主に壊死や血管の周囲に観察され、IL-6もTAMと同様な領域で発現していた。CD163とIL-6の二重免疫染色では、CD163陽性TAMはIL-6も陽性であった。次に、腫瘍内TAMの浸潤程度とCSF中IL-6濃度との関係性を検証した。腫瘍内TAM浸潤率はCSF中IL-6濃度と有意な相関関係が示された。また、悪性リンパ腫の組織でもTAMの浸潤量について解析した。高用量メトトレキサート(MTX)と放射線療法で治療された脳悪性リンパ腫の47人の患者において、TAMの浸潤レベルと臨床病理学的パラメーターとの関係を検討した結果、CD68陽性(+)TAMの増加が無増悪生存期間(PFS)の低下と有意に関連していることが明らかとなり、CD163(+)TAMの増加と PFSの短縮とに負の相関関係があることが判明した。ただし、TAMの増加は全生存期間とは関連していませんでした。 TAMはさまざまなサイトカインを産生することが知られているため髄液サイトカインとTAMの関係を調べると、CSF IL-6および可溶性IL-2受容体は、TAMの浸潤率と相関していなかったが、CSF IL-10レベルはCD68およびCD163(+)TAMの浸潤レベルと相関していた。また、二重免疫染色分析により、CD68(+)およびCD163(+)TAMにおけるIL-10の発現が確認でき、TAMがIL-10を産生して髄液に分泌することで、髄液IL-10の上昇につながるものと思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

膠芽腫および脳悪性リンパ腫で腫瘍関連マクロファージの影響を詳細に解析することが出来たが、膠芽腫マウスモデルにSIRPa抗体を投与し、抗腫瘍効果を検討することができなかった。

今後の研究の推進方策

今後、膠芽腫マウスモデルにSIRPa抗体を投与し、抗腫瘍効果を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響などで実験の制限があり、実験器具の購入などができなかったため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Metabolic changes and anti-tumor effects of a ketogenic diet combined with anti-angiogenic therapy in a glioblastoma mouse model2021

    • 著者名/発表者名
      Maeyama Masahiro、Tanaka Kazuhiro、Nishihara Masamitsu、Irino Yasuhiro、Shinohara Masakazu、Nagashima Hiroaki、Tanaka Hirotomo、Nakamizo Satoshi、Hashiguchi Mitsuru、Fujita Yuichi、Kohta Masaaki、Kohmura Eiji、Sasayama Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 1038

    • DOI

      10.1038/s41598-020-79465-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multi-marker algorithms based on CXCL13, IL-10, sIL-2 receptor, and β2-microglobulin in cerebrospinal fluid to diagnose CNS lymphoma2020

    • 著者名/発表者名
      Maeyama M, Sasayama T, Tanaka K, Nakamizo S, Tanaka H, Nishihara M, Fujita Y, Sekiguchi K, Kohta M, Mizukawa K, Hirose T, Itoh T, Kohmura E.
    • 雑誌名

      Cancer Med

      巻: 9 ページ: 4114-4125

    • DOI

      10.1002/cam4.3048

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脳実質内腫瘍摘出術に対する脳溝開放と術前画像評価2020

    • 著者名/発表者名
      西原賢在、
    • 学会等名
      第79回日本脳神経外科学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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