研究分担者 |
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
三上 毅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30372816)
三國 信啓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60314217)
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研究実績の概要 |
対象:浮腫を伴う脳腫瘍患者、認知障害を有するアルツハイマー、脳血管障害、若年性、正常圧水頭症患者を対象とした。正常ボランティア30人を対照群として評価した。 方法:使用機器:SIEMWNS社およびGE社製 3.0T MRIを用いた。撮像方法:通常のT1, T2, FLAIR以外にMR cisternography (FIESTA;GE, CISS;SIEMENS)、susceptibility-weighted imaging (SWI)、Double IR法;white matter attenuated IR (WAIR)およびgrey matter attenuated IR (GAIR)などの撮像方法を用いて灰白質、白質、動脈、静脈の面積、体積評価、さらにarterial spin labeling(ASL)法によって脳血流量、速度の評価を行った。 結果的、考察: 各撮像方法によりGlymphatic systemの流出路として考えられているperivascular space (etat cribleなど)の面積、体積評価を行い、また、神経細胞とglia細胞の体積をWAIRおよびGAIR法により計測し、さらにmRSにおいてこれまでmIs(myo-Inositol)はglia細胞のマーカーとして炎症やgliosis変化を示唆すると考えられ、またNAAの低下が神経細胞の脱落を示唆する。今回、正常ボランティアと認知症患者の脳内組織における代謝産物を定量的にMRSをもちいて計測した。その結果認知症(水頭症併発)患者においてNAA の低下および高分子化合物の蓄積の増加が認められ、Glymphatic systemの機能異常を示す重要な結果と考えられ、また、機能異常による蓄積産物の評価が今後の病態生理の理解ならびに治療に寄与するものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析対象代謝物として、脳組織に特有なつぎの物質を解析した。L-alanine(Ala), Asparate(Asp), Creatinine(Cr), γ-Aminobutyric Acid(GABA), Glucose(Glc), Glutamine(Gln), Glutamate(Glu), Glycerophosphocholine(GPC), Phosphocholine(PCh), myo-Inositole(mI), L-Lactate(Lac), N-Acetylaspartate(NAA), N-Acetylasparatylglutamate(NAAG), Scyllo-Inisutol(Scyllo), Taurine(Tau), Creatine methylene group(-CrCH2), Guanideacetate(Gua), MacroMolecule(MM), Lipid(Lip)などを解析した。そのうち、control群と低髄液圧群では統計学的に有意な差は認められなかった。また、control群と認知症群比較においては、NAAでそれぞれ11.18±0.61、7.04±2.02と認知症群で有意に低下、 MM14では、5.25±2.49、10.43±5.32で、MM17でも3.12±1.80と7.78±6.80と有意に増加していた。
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