本研究では,くも膜下出血代謝産物のクリアランスにリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)が輸送蛋白として関与し,その排泄経路を調べることにより,髄液のリンパ系ドレナージの存在と役割を明らかにするのが目的である. 研究協力者から得られる予定であったマウスL―PGDSモノクロナール抗体は使用困難なため、市販のL-PGDS抗体を手配した.くも膜下出血モデルの作成は困難を極め(動物が死亡してしまう),未だ十分なサンプルが得られてない状態である. 本研究費は本年度時終了するが、研究辞退はは継続して行く予定である. ヒト正常コントロールのリンパ系ドレナージを確かめるため,O15でラベルした水PETによる検討を追加で行った.その結果,水分子のくも膜下腔へのきわめて速い移動が明らかとなるとともに,脳幹からくも膜下腔への水分子動態は他部位とは異なることが明らかとなり,これについて論文作成中である.
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