研究課題/領域番号 |
18K08953
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
糟谷 英俊 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50169455)
|
研究分担者 |
広田 健吾 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10532690)
恩田 英明 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60185692)
赤川 浩之 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60398807)
米山 琢 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90318105)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 脳動脈瘤 / レアバリアント / RNF213遺伝子 |
研究実績の概要 |
もやもや病をはじめとした種々の血管疾患との関連が注目されているRNF213遺伝子であるが、近年、この遺伝子のレアバリアントは脳動脈瘤とも関連していることが報告された(Zhouら. Am J Hum Genet. 2016)。本研究では、この知見を我々の保有する多数の日本人脳動脈瘤患者を用いて検証する。 これまでに160例の家族性脳動脈瘤患者について、IonPGMシーケンサーによるRNF213遺伝子のターゲットリシーケンシングを完了した。これまでモヤモヤ病などの血管疾患で検出されてきたレアバリアントとは傾向の異なるレアバリアントが数多く検出され、1000人ゲノムデータベースの日本人104人(JPTパネル、http://www.internationalgenome.org/)と比較して有意な関連が認められた。対照も含めたサンプル収集とリシーケンシングデータの蓄積は継続して実施しており、より精度の高い統計解析を行う。特に対照データについては、コストを抑えながらできるだけ多数のサンプルを解析できるよう、以下の如く我々の先行研究のデータを活用することとした。まず、当施設のモヤモヤ病の患者対照研究(Motekiら. J Am Heart Assoc. 2015)で使用した対照190例のデータを使用する。全例、もやもや病のみならず脳動脈瘤も存在しないことを頭部画像検査で確認してある良質な対照サンプルである。さらに、これまで本学統合医科学研究所で全エクソーム解析を行った非血縁100個体のデータを本研究の対照データとしても使えることとなり(倫理承認有り)、このデータに1000人ゲノムデータベースの日本人104人(JPTパネル、http://www.internationalgenome.org/)のデータを加えて、合計約400例の対照データとして使用する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の遺伝子解析で最も重要な家族性脳動脈瘤患者のシーケンシング解析が終了していること、多数の対照データの整備が行えたこと。さらに、検出された変異の特徴からモデル動物の解析にまで結びつけられたこと。
|
今後の研究の推進方策 |
サンプルの収集とRNF213遺伝子のリーシーケンシング・データの蓄積を継続して行う。特に家族性発症の患者、若年性発症の患者に注目して解析する。これまでに得られた知見をもとに、既にモデル動物の作成実験にも取りかかっており、これを継続していく(未発表データを含むためここでは詳細は記さない)。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の解析が、本年度に行われたため。
|