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2019 年度 実施状況報告書

Muse細胞を用いたてんかん原性治癒手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K08960
研究機関東北大学

研究代表者

大沢 伸一郎  東北大学, 大学病院, 助教 (00813693)

研究分担者 中川 敦寛  東北大学, 大学病院, 特任教授 (10447162)
新妻 邦泰  東北大学, 医工学研究科, 教授 (10643330)
西嶌 泰生  東北大学, 大学病院, 助教 (90816307)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードOptogenetics / Cell therapy / epilepsy / seizure model / hippocampus / status epilepticus / regenerative medicine
研究実績の概要

令和元年度に得た成果:光脳内けいれん誘発モデルの誘発回数と神経細胞脱落の関係について最適化をはかり、Muse細胞投与時期の検討を行った。昨年度に従来報告していたTGラット(Wister ratに対する遺伝子導入)よりも遺伝背景をLong-evansへ変更したTG ラットの方が実験効率(繁殖効率、実験時操作性)が良いことを発見し、以後同動物を使用している。①Muse細胞投与後の変化に対するコントロールとして、けいれん後に脳内細胞数もしくは生化学パラメータがどの程度変化するのかを検討した(海馬内の各解剖学的分画において神経細胞数およびTUNEL, NeuN, GFAP陽性率の変化)。②けいれん後のMuse細胞を投与による効果を検証するため、けいれん誘発後のMuse細胞投与(1.0x105個/ 個体, 1,3,7,14 day)を行い、細胞生着が確認された。ただし行動実験(Barnes circle maze test)ではコントロールに比して成績が良い傾向にあるものの有意差はなく、よりけいれんパラメータ(誘発回数およびけいれん持続時間、組織学的な損傷度合い)を検討してMuse細胞治療の投与法最適化を図っている。③当科の別実験においてMuse細胞は投与後3-6ヶ月でrejectionされることが証明されており(未発表)、免疫抑制による脳内生存期間の延長と機能改善の比較実験を進行している。現状で当初予定していた実験計画を概ね達成していると考えている。
今後の研究計画:上記の実験を通して、ある程度細胞治療が効く病態が推測されるようになった。よりけいれんの重症度が高く、より急性期に投与する方が効果が高い可能性があり、それを実証するべく実験を継続していきたい。さらに慢性電極留置による長期脳波記録を実現し、将来的にはMuse細胞投与によるてんかん原性獲得の抑制機序の解析へ進めていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物モデルの生理学的・組織学的評価について、および幹細胞の投与方法とその組織修復についてはおよそ予想通りの成果を得ている。比較して動物モデルの慢性期実験(慢性電極留置を含む)はやや遅れていると判断している。
ただしこれは前者がスムーズに進行しているためであり、総合しての実験進行度、論文発表を目標とする達成度としては順調と考えている。

今後の研究の推進方策

このまま予定通り急性期けいれんモデルを用いた実験系と幹細胞投与のパラメータ最適化を進め、組織学的評価を完了した時点で論文投稿を予定している。2020年度内に論文化の目処はつくと考えている。
来年以降は慢性的なてんかん発作と幹細胞投与の実験系を立ち上げたいと考え、現状の実験と平行して進めていく方針である。

次年度使用額が生じた理由

現行の実験計画を継続して行い、論文化に必要な経費を考慮して申請した。
基本的には実験環境は整っており、消耗品および学会参加、論文化に必要な経費と考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Muse細胞を用いたてんかん原性治癒手法の確立2020

    • 著者名/発表者名
      大沢伸一郎 新妻邦泰 冨永悌二
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 46 ページ: 56-57

  • [雑誌論文] Optogeneticsとてんかん2020

    • 著者名/発表者名
      大沢伸一郎 冨永悌二
    • 雑誌名

      Epilepsy

      巻: 30 ページ: 未発行

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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