研究課題/領域番号 |
18K08967
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
荒木 芳生 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80467290)
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研究分担者 |
青木 友浩 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40633144) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | もやもや病 / 遺伝子発現解析 |
研究実績の概要 |
令和1年度は成人もやもや病4症例、内頚動脈瘤4症例について、脳表血管壁および浅側頭動脈血管壁からのtotal RNA抽出、増幅complement DNAの作成、ハウスキーピング遺伝子をターゲットとしたPCRを行うことによる検体の質の評価、ラベル化cDNAの作成、Agilent Microarray へのハイブリダイゼンーション、スキャニング、統計学的解析による発現変動遺伝子の絞り込みおよびPCRによる定量を行うことができた。その結果、もやもや病の頭蓋内にて有意に高発現している1遺伝子と低発現している1遺伝子を特定した。gene set enrichment analysis では炎症にかかわる遺伝子群がもやもや病脳表血管壁では高発現であり、コラーゲン形成にかかわる遺伝子群が低発現であった。頭蓋外血管である浅側頭動脈検体における比較では明らかな発現変動遺伝子やgene set enrichment analysis において遺伝子群の変化は認めず、これらの変化はもやもや病患者の頭蓋内動脈に特異的であるものと考えている。これらの研究結果を纏めて論文化し、現在欧文誌へ投稿中である。令和2年度は小児もやもや病症例、対照として若年者のてんかん焦点切除術検体から得た脳表の血管壁についても網羅的遺伝子発現解析を行い、小児もやもや病、成人もやもや病、全年齢に特異的な発現遺伝子の検索を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り成人もやもや病及び非もやもや病の脳表血管壁から得た微小検体よりtotal RNAの抽出から網羅的遺伝子発現解析と、PCRによる定量により発現変動遺伝子の特定し、結果を論文にまとめ投稿するところまで進捗できている。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は小児もやもや病症例、対照として若年者のてんかん焦点切除術検体から得た脳表の血管壁についても網羅的遺伝子発現解析を行い、小児もやもや病、成人もやもや病、全年齢に特異的な発現遺伝子の検索を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
小額の次年度使用額が生じた。
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