研究課題/領域番号 |
18K08974
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小野寺 理恵 札幌医科大学, 医学部, 客員講師 (60393328)
|
研究分担者 |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
岡 真一 札幌医科大学, その他部局等, 講師 (70789453)
佐々木 優子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80631142)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 骨髄幹細胞 |
研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、進行性の難治性神経疾患であり、治療法はない。ALSの多くは原因不明の弧発性とされており、適切な動物実験モデルは存在しない。しかし、近年、弧発性ALSの発症原因として血液脊髄関門(BSCB)の破綻が示唆されており、BSCBは治療ターゲットとなる可能性がある。一方、骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いた細胞療法では、MSCが多段階に協奏的に発揮する多種類の治療メカニズムの一つにBSCBの安定化がある。ALS患者においては、BSCBの破綻により透過性が亢進し、微小循環が悪化することで、運動ニューロンの変性が観察されたとの報告がある。つまり、BSCBの機能不全による脊髄前角の運動ニューロ ンの緩徐な細胞障害がALSの病因となり、症候性となることが考えられる。また、外傷が弧発性ALSの危険因子になりうるという報告があり、脊髄に対する外傷がALSの発症プロセスを起動すると考えられている。この仮説は、一般人に比べて、身体を酷使することの多いスポーツ選手にALSの罹患率が高いという疫学的データからも支持される。外傷によって脊髄が受ける影響は、受ける外力の強弱に依存するため、呈する病態は多彩であり、いわゆる“脊髄損傷”ほどの重篤な病態に陥らなくても、外傷が脊髄に与えた軽微な影響によってALSへ進展する症例群が存在するものと考えられている。本研究計画では、ALSの動物モデルに対して、MSCの移植実験を行い、治療効果を発揮するかどうかを、メカニズムを上記の治療メカニズムの観点を加味して検討を加えた。
|