研究実績の概要 |
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて肝細胞増殖因子(HGF)を強発現させたDPSC(DPSC/HGF)の移植により,ラット 急性期脳梗塞における治療効果の増強が得られるか検討した. 虚血再灌流24時間および3日後において, DPSC/HGF群では, 対照群およびDPSC単独群に比し有意な梗塞体積の縮小を認め, 皮質梗塞境界領域におけるIba1, TNF-α発現や神経細胞死も有意な抑制を認めた.また、Evans-blue法を用いた実験では、虚血再灌流3日後においてHGF強発現DPSC群にて有意なEvans-blue漏出の抑制効果が得られ、血液脳関門破綻を防ぐ可能性を示した。さらに、虚血再灌流14日後の評価では、HGF強発現DPSC移植により、皮質梗塞境界領域におけるRECA-1の発現が有意に増強し、脳微小血管の有意な増生を認めた。 HGF強発現DPSC移植では, 虚血脳組織における炎症抑制効果および血管新生作用の増強が得られ, さらなる脳保護効果に寄与した可能性が示唆された.
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