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2019 年度 実施状況報告書

グリンパティックシステムと脳内酸化ストレスの画像化と解析による神経疾患の診断治療

研究課題

研究課題/領域番号 18K08982
研究機関明治国際医療大学

研究代表者

樋口 敏宏  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80218700)

研究分担者 梅田 雅宏  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
田中 忠蔵  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 名誉教授 (80163541)
渡邉 康晴  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 准教授 (90454537)
河合 裕子  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (90555616)
萬代 綾子  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (20769343)
村瀬 智一  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (00708943)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード酸化ストレス / グリンパティックシステム / MRI / MRS
研究実績の概要

①拡散強調画像を用いた組織中の水可動性の継続的観測
2017年にTaokaらが着目した、アルツハイマー病患者のミニメンタルステート検査とADCの相関に着目した脳の脳室周囲領域を関心領域とし引き続き研究を進めた。心拍変動に伴うb値の変動は僅かであることが予想されるため、ADCの計算制度を向上させる目的で、b値の追加、加算平均の追加を行い計測を行った。また、全体としての計測時間が延長するとデータ取得の安定性に影響を与えるため、2018年の結果を参考に心拍時相を削減するなどタイムウインドを狭める工夫をし、データ計測を継続中である。

②CSI技術を用いたグルタチオンの計測の改良を実施した。
グルタチオンは他の代謝物質とオーバラップしており、3TのMRI装置を用いて計測した場合、他の代謝物ピークとの重なりがあるため従来はエデティングで分離計測が必要であった。この場合には信号が減弱する、計測時間が延長するなどの問題があった。これを解決するために7Tの超高磁場MR装置を用いて脳の代謝物を計測し、代謝物分離ソフトのLCModelを用いて解析したところ、一部のボクセルでグルタチオンが分離計測できることを確認した。さらに3D位相画像を用いてCSIの測定断面を磁場歪みが低次関数となっている領域を調べ、その低次の磁場歪み断面をCSI断面として採用したところ、断面内に渡って比較的良好なスペクトルが得られた。各ボクセルにおけるグルタチオンの値から脳内マップを描出し、MRIと重ねる事でグルタチオンの脳内マップの作成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度の研究として、①拡散強調画像を用いた組織中の水可動性の継続的観測、②CSI技術を用いたグルタチオンの計測の改良を実施した。

① 先行研究で報告されたアルツハイマー病患者のミニメンタルステート検査とADCの相関に着目し、b値を0, 100, 300, 1000 s/mm2とするADCについて脳の脳室周囲領域を関心領域とした研究を引き続き研究を進めた。心拍変動に伴うb値の変動は僅かであることが予想されるため、ADCの計算制度を向上させる目的で、b値の加算平均の追加を行い計測を行った。また、全体としての計測時間が延長するとデータ取得の安定性に影響を与えるため、2018年の結果を参考に心拍時相を削減するなどタイムウインドを狭める工夫をし、データ計測を継続中である。

② グルタチオンは他の代謝物質とオーバラップしており、3TのMRI装置を用いて計測した場合、他の代謝物ピークとの重なりがあるため従来はエデティングで分離計測が必要であった。この場合には信号が減弱する、計測時間が延長するなどの問題があった。これを解決するために7Tの超高磁場MR装置を用いて脳の代謝物を計測し、代謝物分離ソフトのLCModelを用いて解析したところ、一部のボクセルでグルタチオンが分離計測できることを確認した。さらに3D位相画像を用いてCSIの測定断面を磁場歪みが低次関数となっている領域を調べ、その低次の磁場歪み断面をCSI断面として採用したところ、断面内に渡って比較的良好なスペクトルが得られた。各ボクセルにおけるグルタチオンの値から脳内マップを描出し、MRIと重ねる事でグルタチオンの脳内マップの作成に成功した。

今後の研究の推進方策

被験者数が不足しており、さらなる症例の集積が必要である。また、加齢による変化や個体差が大きいことが予測されることから、若年層と高齢層の比較を実施する予定である。加えて関連する神経伝達物質について、脳局所ごとの脳内濃度変化の正確な解析を目指す。

次年度使用額が生じた理由

業務の都合によって予定していた国際学会への参加を見合わせたことに加え、装置の不具合が頻発し調整が必要であったことから申請書に記載した 当初の使用計画に沿った予算消化が困難であった。しかしながら、3年間を通じた使用計画には影響を与えるものではなく、測定解析に必要な電子部品、ソフトウェア、その他ノイズ対策のための部材、データ保管のためのストレージ、ヒトを対象とした測定で必要となる謝金と測定用消耗品等の購入を予定している。加えて成果発表のための学会出張旅費、論文投稿費を拠出する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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