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2018 年度 実施状況報告書

アクチベイタブル酸化鉄ナノ粒子蛍光プローベを用いた脳動脈瘤壁の炎症巣の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 18K08992
研究機関京都大学

研究代表者

石井 暁  京都大学, 医学研究科, 講師 (30467469)

研究分担者 青木 友浩  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40633144)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードaneurysm / inflammation / indocyanine green / macrophage
研究実績の概要

脳動脈瘤の発生および増大には慢性炎症が大きく関与することが報告されている。この炎症を誘発させる因子として血行力学的因子が示唆されているが、直接的に示した報告はない。本研究では、まず実験的動脈瘤の炎症部位を非破壊的にイメージングするツールの開発を行った。実験的動脈瘤壁の炎症イメージングを行うために、酸化鉄ICGプローベ(IONP-ICG)を作成した。15週ラットを用いて、頚動脈結紮および高塩分食負荷によりウィルス動脈輪に動脈瘤を誘導させた。観察の48時間前にIONP-ICG(n=8)、IONP(n=8)、ICG(n=8)を静注した。ICG顕微鏡による観察は安楽死後にウィルス動脈輪を摘出してex vivoにて行った。IONP-ICG群の8匹のラットに13動脈瘤が誘導された。このうち2動脈瘤で動脈瘤壁のICG発光を観察できた。残りの11動脈瘤ではICG発光を観察できなかった。ICG発光群では非発光群と比較すると有意にiba1免疫染色による定量評価したマクロファージ数が少なかった。病理切片を作成して、ICG発光部位とマクロファージ染色陽性部位は極めて高い一致性を示した。対象として、IONPを結合しないICG群(n=8)とICGを結合しないIONP群(n=8)ではICG発光は見られなかった。IONP-ICGプローベによるICG発光観察はマクロファージイメージングに有効であり、今後in vivoでの観察ツールとして期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に進行して、現在論文作成中である。

今後の研究の推進方策

今後、IONP-ICGを用いた観察をラットで継続して、どのような動脈瘤(形態とサイズ)が発光陽性となるかを解析し、同時にMRIから得られた形態学的情報をもとに血流解析を数値流体力学的解析により行う。誘導された動脈瘤のICG陽性率は2/13程度でそれほど高くないため、炎症ステージの高い動脈瘤の誘導が課題である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた動物数よりも少ない数で統計学的有意差を示せたため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Activatable fluorescence imaging of macrophages in atherosclerotic plaques using iron oxide nanoparticles conjugated with indocyanine green2018

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Hiroyuki、Ishii Akira、Sano Kohei、Chihara Hideo、Arai Daisuke、Abekura Yu、Nishi Hidehisa、Ono Masahiro、Saji Hideo、Miyamoto Susumu
    • 雑誌名

      Atherosclerosis

      巻: 275 ページ: 1~10

    • DOI

      10.1016/j.atherosclerosis.2018.05.028

    • 査読あり
  • [学会発表] インドシアニングリーン標識酸化鉄ナノ粒子による脳動脈瘤壁に集積するマクロファージのアクチベイタブル蛍光イメージング2019

    • 著者名/発表者名
      池田宏之
    • 学会等名
      日本脳卒中学会第44回学術総会
  • [学会発表] インドシアニングリーン標識酸化鉄ナノ粒子による脳動脈瘤壁に集積するマクロファージのアクチベイタブル蛍光イメージング2018

    • 著者名/発表者名
      池田宏之
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会第77回学術総会

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公開日: 2019-12-27  

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