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2019 年度 実施状況報告書

(p)RRを抑制するmicroRNAはグリオーマの腫瘍形成能を失わせるか?

研究課題

研究課題/領域番号 18K08996
研究機関香川大学

研究代表者

小川 大輔  香川大学, 医学部附属病院, 助教 (70524057)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードmicroRNA / glioma / pro-renin / therapeutic target
研究実績の概要

神経膠腫(グリオーマ)の中でも膠芽腫は最も予後の悪い脳腫瘍であり、早急な追加療法の開発が望まれている。申請者らは、本研究計画のターゲットである(プロ)レニン受容体((p)RR)が、Wnt/βカテニン経路を介して、がん形成に関わる重要分子であり、グリオーマにおいてもグレードに関わらず恒常的に(p)RRが発現しており、これを抑制することで膠芽腫の増殖能が抑えられることを報告してきた。
また、microRNA(miR)は平均22塩基対程度の短いnon-coding RNAでmessenger RNA(mRNA) の主に3'-UTRと相補的に結合することで、その翻訳抑制に関わる。MiRの抑制効果は一般に他のsmall interference RNA (siRNA)と比較して弱いものの、siRNAは人工的なもので、新たな脳内投与方法の開発が必要であるが、miRは遺伝子に組み込まれた内在性の因子であるため、その発現量はプロモーター領域に結合する転写因子に依存し、これを解析することにより、miRの発現量を調節するような新薬の開発につながりやすい。
本研究計画は、これらを発展させ、(p)RRの発現を制御するmiRは存在するのか?存在するならば、(p)RRの働きを抑制することで、ドライバー分子を失ったグリオーマの腫瘍形成能は失われるか?について解明し、膠芽腫に対する新規治療法の開発を目指す。さらにそのmiRの発現を促す転写因子を解析することで、その転写因子がグリオーマの腫瘍形成能を失わせるような新規薬剤となりうるか?を模索することを目的とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度目標として、プロレニン((p)RR) を抑制するmicroRNAの候補を予想し、これらのmicroRNAを強制発現させることによって、細胞内の(p)RR発現が抑制されることをしめした。5候補のうち、1候補が通常の(p)RR発現より40%抑制しており、microRNAの抑制としてはかなり強い効果であると考えられた。この効果はタンパクレベルにおいても発現抑制されることを示しており、将来の治療ターゲットとして有力候補であると考えられた。
本年度においては、これらのmicroRNA候補が、悪性神経膠腫細胞に対して、どのような効果をもたらすか、増殖能、郵送能、アポトーシスなどを検証するため、セルカウンター、スクラッチアッセイ、Tunel染色など行った。

今後の研究の推進方策

今後は、microRNAのmRNAへの直接結合をしめすため、レポーターアッセイを行う。
また、いまのところ有力な候補が1つであるため、今後の研究結果が思うようにいかない場合など、そのほかのmicroRNA候補を探索するため、microRNA Arrayや、異なるデータベースを利用するなど、うまくいかない場合に備えて、予備候補を模索していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により、2020年2月より研究活動に影響があったため、当初予定よりわずかに消耗品が不要となったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] MicroRNA-451 Inhibits Migration of Glioblastoma while Making It More Susceptible to Conventional Therapy2019

    • 著者名/発表者名
      Ogawa Daisuke、Ansari Khairul、Nowicki Michal、Sali?ska El?bieta、Bronisz Agnieszka、Godlewski Jakub
    • 雑誌名

      Non-Coding RNA

      巻: 5 ページ: 25~25

    • DOI

      10.3390/ncrna5010025

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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