研究課題
てんかんは、発作を引き起こす持続性素因を持つネットワーク病である。持続性状態から突発的に発作を生じるスイッチ(病態)を明らかにすることが本研究の目的である。この目的を達成するため、申請者自身が経験豊富な病理組織学的基礎研究手法と、臨床的手法つまり慢性硬膜下電極による焦点診断、てんかん波解析、ネットワークとしての解剖学的機能的異常回路診断を行いその総合結果から研究を進めている。病理診断と発作時脳波周波数解析の結果は一致しない。皮質形成異常や腫瘍性病変、海馬硬化との組織学的特徴と発作との関連を手術症例を通じて研究中である。神経膠腫ではp53がてんかん難治性との関連が見いだされた。当科常勤には日本てんかん学会専門医6名によって年間40-50件の手術実績があり、昨年も40件以上であった。術前、術中検査として必要な長時間ビデオEEGモニタリング用デジタル脳波計、PET/SPECT、MEG、ニューロナビゲーションシステムを使用して、脳波測定と摘出脳の組織に関する研究を継続している。
2: おおむね順調に進展している
手術症例が研究対象の中心となるため、手術頻度に依存することは予想通りである。
特に変更はない
研究費は研究打ち合わせなどが感染症の影響で開催されなかったために残った。翌年度分研究費と合わせて消耗品使用の継続と研究打ち合わせなどのこれまでに使用をしなかった経費支出を計画している。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Neurol Med Chir
巻: 60 ページ: 147-155
10.2176/nmc.oa.2019-0218.