研究課題
COVID19感染症拡大の影響を受け、2020年春からてんかん外科手術件数は延期や中止の患者さん側の希望や医療側の受け入れ態勢困難などの事情により減少している。本研究はてんかん外科手術標本の病理組織学的研究であり、上記理由で研究遂行に深刻な影響を受けた。てんかんは、発作を引き起こす持続性素因を持つネットワーク病である。持続性状態から突発的に発作を生じるスイッチ(病態)を明らかにすることが本研究の目的である。この目的を達成するため、申請者自身が経験豊富な病理組織学的基礎研究手法と、臨床的手法つまり慢性硬膜下電極による焦点診断、てんかん波解析、ネットワークとしての解剖学的機能的異常回路診断を行いその総合結果から研究を進めている。病理診断と発作時脳波周波数解析の結果は一致しない。皮質形成異常や腫瘍性病変、海馬硬化との組織学的特徴と発作との関連を手術症例を通じて研究中である。当科常勤には日本てんかん学会専門医6名によって通常は年間40-50件の手術実績があるがCOVID19感染拡大の影響を受けた。てんかんを合併する頻度の高いWHO grade II神経膠腫において遺伝子がてんかん発作コントロールに関与していること、早期のてんかん焦点摘出により高次脳機能が回復すること、てんかんの異常ネットワークの解明など論文や学会において発表した。術前、術中検査として必要な長時間ビデオEEGモニタリング用デジタル脳波計、PET/SPECT、MEG、ニューロナビゲーションシステムを使用して、脳波測定と摘出脳の組織に関する研究を継続している。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Neurol Med Chir
巻: 61 ページ: 312-320
10.2176/nmc.oa.2020-0365
J Clin Neurophysiol
巻: 未定 ページ: 未定
10.1097/WNP.0000000000000887.
巻: 61 ページ: 619-628
10.2176/nmc.st.2021-0230.
Epilepsy Behav.
10.1016/j.yebeh.2021.108405.