研究課題
頸動脈内膜剥離術(CEA)を行う症例を対象とした。全例に術前に脳血流SPECTを行い、脳循環不全をもつ症例を選択した。これらの症例に対し、術前に15O-gas PETおよび脳アミロイド沈着を画像化できる18F-Florbetapir PETを行った。また、7T超高磁場MRIにより拡散尖度(diffusion kurtosis)画像を撮像した。さらに、神経心理検査として、Wechsler adult intelligence scale-revised (WAIS-R)、Wechsler memory scale-revised (WMS-R)、Rey testを行った。15O-gas PETおよび18FFlorbetapir PET画像の解析はSPM2を基本とした画像標準化テンプレートである3D-SRTを用い、前者は定量解析を、後者は小脳を対照とした半定量的解析を行った。拡散尖度画像はtract-based spatial statistics (TBSS)にて白質の解剖学的微細構造を定量的に解析した。5例に対しCEA前後にアミロイドPETおよび15OガスPETを行った。その結果以下の結論を得た。1.脳循環代謝が低下している脳領域では、アミロイドPET上トレーサが入っていかないことがある。2.脳循環代謝の低下は必ずしもアミロイドの沈着をもたらさない.3.頚動脈内膜剥離術後にPET上脳循環が改善するとアミロイドPET上アミロイドが明らかにwash outされる。以上から以下の結論を得た。1.脳循環代謝が低下している脳領域では、アミロイドPET上、アミロイドの沈着が過小評価されることがある。2.脳血管障害による脳循環不全が脳からのアミロイドの排出を阻害するかどうかは結論をだせない。3.2.にもかかわらず、脳循環の改善が脳からのアミロイドの排出を促す。
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