研究課題/領域番号 |
18K09005
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
丹下 祐一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60296853)
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研究分担者 |
和気 秀文 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50274957)
中島 円 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50317450)
新井 一 順天堂大学, 医学部, 教授 (70167229)
田中 聡久 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70360584)
菅野 秀宣 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (90265992)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Brain plasticity / MRI / VolBM / MTsat / TBSS |
研究実績の概要 |
本研究の主課題として、世界大会において床、あん馬、吊り輪、跳馬、平行棒、鉄棒のいずれかの競技において受賞歴のある体操競技選手10名(平均19.9±1.3歳、男性・右利き)と体操競技未経験者10名(平均20.6±1.7歳、男性・右利き)を対象として、3T-MRI(MAGNETOM Prisma, Siemens Healthcare)を用いたMulti-shell DWIおよび3D-T1WIの撮像および解析を施行した。 まず、習熟度に応じた脳構造の変化として灰白質(GM: gray matter)および白質(WM: white matter) volumeおよび白質の髄鞘変化に着目した。Volume-based morphometry(VolBM)を用いて評価したGM volumeは、体操競技選手群において下頭頂葉、中側頭回、中心前回、吻側中前頭回および上前頭回が優位に大きかった。中でも吊り輪選手では下頭頂葉、平行棒選手では吻側中前頭回体積が大きいという特徴を有していた。この結果より高い体操能力は、空間認知能力、視覚、作業記憶、運動制御領域の神経可塑性に起因する可能性が示唆された。 次に、白質の髄鞘変化の評価には、magnetization transfer saturation (MTsat) imagingおよびtract-based spatial statistics (TBSS) analysisを行った。WM volumeは、体操選手群およびコントロール群で優位差を認めなったが、髄鞘形成は下前頭後頭束、下および上縦束において、体操選手群で低値であった。この結果、長期にわたるintensive trainingは視運動過程および注意制御に関連する大脳白質に変化をもたらすことが示唆された。以上の結果より、後天的に行われたタスクに対する脳の可塑性解明を報告した。
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