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2019 年度 実施状況報告書

パーキンソン病患者の視床下核内神経活動の分布

研究課題

研究課題/領域番号 18K09007
研究機関日本大学

研究代表者

小林 一太  日本大学, 医学部, 准教授 (20366579)

研究分担者 渡辺 充  日本大学, 医学部, 助教 (00792673)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードパーキンソン病 / 脳深部刺激療法 / マイクロレコーディング
研究実績の概要

パーキンソン病に対して、大脳基底核回路の一部である視床下核(subthalamic nucleus: STN)を標的部位とする脳深部刺激療法(deep brain stimulation: DBS)が奏効する。
DBSに用いる刺激電極を脳内に留置する手術では、刺激電極を留置する目標構造を正確に同定する目的で、術中に微小電極を用いた脳深部の神経活動記録 (Microelectrode recordeing: MER)が行われる。このMER を分析することは、ヒト脳の神経生理および疾患の病態を解明する一助となる。
本研究では、パーキンソン病患者から微小電極を用いて記録される脳深部の神経活動記録を局所電場電位分析用に low-pass filter を、スパイク発火分析用に high-pass filter で処理をおこなった後、局所電場電位分析では、β帯域のオシレーションのパワー(βパワー)を、単一ニューロンの発火時間データから周波数分析で統計学的に有意水準を越えるβ帯域の神経活動を持つニューロン(βニューロン)を同定している。そしてSTN内外でのβパワーおよび、STN内のβニューロンの分布を検討している。
現在までの解析結果では、局所電場電位分析では4側中2側でSTN外よりもSTN内でβパワーが有意に高値を示し、STN内でβパワーの最大値を示した部位を検討した結果、4側中3側でSTN内の背側部であった。一方、単一ニューロンの分析によるβニューロンはSTN内に広く分布していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、パーキンソン病患者から微小電極を用いて記録される脳深部の神経活動記録を分析し、パーキンソン病の病態を明らかにすることである。
現在までに、視床下核の脳深部刺激療法の両側手術を行ったパーキンソン病患者4例(計 7側)から脳深部活動電位記録のデータを収集し、記録した神経活動を局所電場電位分析用に low-pass filter を、スパイク発火分析用に high-pass filter 処理を終了している。このうち4側の局所電場電位の周波数解析を行い、STN内外でのβパワーおよび、STN内のβパワーの分布の検討を終了し、加えて単一ニューロンの周波数分析を3側で行い、βニューロンのSTN内の分布の検討を終了しているため。

今後の研究の推進方策

引き続き、1. 局所電場電位分析からβ帯域のオシレーションのパワー(βパワー)を分析し、STN内外でのβパワーおよび、STN内のβパワーの分布を検討し、2.単一ニューロンの発火時間データから周波数分析で統計学的に有意水準を越えるβ帯域の神経活動を持つニューロン(βニューロン)を分析し、βニューロンのSTN内の分布の検討を行う。加えて、3.単一ニューロンのスパイク発火時間のデータから発火頻度と神経活動パターンの分析を行う。神経活動パターンの分析は、バースト発射の程度をPoisson “surprise” method (Legendy 1985, Wichmann 1999)を用いてBurst Index (BI)として数値化して算出する。このほかにLstatistic法 (Goldberget 2002, Kaneoke 1996)等用いて発火パターン分析を行う。そして4.発火頻度、神経活動パターンの所見がSTN内の領域ごとにどのような違いがあるのかを分析する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] パーキンソン病におけるβオシレーション2020

    • 著者名/発表者名
      小林一太
    • 学会等名
      第59回定位・機能神経外科学会
  • [学会発表] 定位脳手術からみた不随意運動の病態2019

    • 著者名/発表者名
      小林一太、吉野篤緒
    • 学会等名
      第27回九州・山口機能神経外科セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] パーキンソン病におけるβオシレーションと adaptive deep brain stimulation2019

    • 著者名/発表者名
      小林一太、吉野篤緒、片山容一
    • 学会等名
      第6回脳神経外科BMI研究会

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公開日: 2021-01-27  

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