本研究は、骨折部位への薬物送達技術を確立し短期間での骨折治療の実現を目指すものである。具体的には、骨折部位における出血を利用することで受動的に患部に薬物を送達出来る薬物送達(DDS)キャリアを創製する。骨形成を促進する薬物には、骨粗鬆症治療薬としてすでに臨床応用されているアレンドロネート(ALN)を用いた。ALNとポリエチレングリコール(PEG)とをpH応答性リンカーを介して化学結合させることで、高い血中滞留性を示すALN製剤(PEG-ALN)を作製した。骨折モデルマウスに対してPEG-ALNを投与したところ、連続性を持った新生骨の形成が観察された。
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