• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

体内時計と関節炎の包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09040
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

藤原 浩芳  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (90381962)

研究分担者 大久保 直輝  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60816578)
小田 良  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80516469)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード体内時計 / 関節炎
研究実績の概要

本研究の目的は時計遺伝子と関節炎の関係を明らかにすることであるが、本年度は概日時計を構成する因子の一つでもある転写因子REV-ERBに着目して解析を行った。Rev-erbはαおよびβのサブタイプが存在し、代謝や炎症反応など多岐にわたる生理現象制御に関与することが知られている。これまでRev-erbの二重欠損は致死的であることが報告されているためその機能の正確な評価が困難であった。そこで細胞培養系での実験系構築を考え、これまで器官培養系で用いたPER2::Lucマウス由来のES細胞に対し遺伝子編集技術の一つであるCRISPR-Cas9システムを用いてRev-erbを二重欠失した細胞(以下DKO細胞)を樹立した。野生型細胞と樹立したDKO株とをそれぞれ分化誘導し、経時的にRNAを抽出して網羅的遺伝子発現解析を行い比較した。野生型株とDKO株で分化の方向性に大きな差はみられなかった。core clock geneの発現量は野生型株とDKO株で差を認めなかった。次に振動発現している遺伝子を抽出し解析を行った。共通して振動していた遺伝子はcore clock geneを含む15遺伝子のみであり、REB-ERBの欠失によって振動する遺伝子が変化することを明らかにした。分化誘導後の野生型株、DKO株の発光リズムを測定したところいずれも明確なリズムを示し、REV-ERBの欠失しても概日時計制御機構は保たれることを明らかにした。REV-ERBは概日リズム出力系の鍵因子として機能し、下流の遺伝子群と協調して様々な生理機能を調節していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

時計遺伝子と関節炎をつなぐ可能性のある因子であるRev-erbの生理機能の概要を明らかにした。研究計画としてはおおむね順調と考える。

今後の研究の推進方策

今年度の研究ではRev-erbが時計遺伝子出力系の鍵因子として機能してる可能性があることを明らかにした。今後は生理機能や組織にRev-erbが個別にどのように機能しているのかを明らかにすることを目標とする。京都府立医科大学統合生理学教室の全面的な指導の下、大学院生の協力得て実験を遂行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] REV-ERBα and REV-ERBβ function as key factors regulating Mammalian Circadian Output2019

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Ryosuke、Tsuchiya Yoshiki、Koike Nobuya、Umemura Yasuhiro、Inokawa Hitoshi、Ono Ryutaro、Inoue Maho、Sasawaki Yuh、Grieten Tess、Okubo Naoki、Ikoma Kazuya、Fujiwara Hiroyoshi、Kubo Toshikazu、Yagita Kazuhiro
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 9 ページ: 10171

    • DOI

      10.1038/s41598-019-46656-0

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi