研究課題/領域番号 |
18K09045
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
坂本 優子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90465047)
|
研究分担者 |
本田 由佳 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (40749553)
時田 章史 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (60260890)
鈴木 光幸 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (90449059)
荻島 大貴 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (90327784)
松岡 正造 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70437466)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ビタミンD欠乏 / ビタミンD合成量 / 妊婦 / O脚 / 乳児 / ビタミンD結合タンパク / エネルギー摂取量不足 / 下肢アライメント |
研究実績の概要 |
300人の対象者のリクルートを終え、ほぼ全員の血液検査・栄養アンケート・紫外線暴露量アンケート・ビタミンD関連遺伝子多型の結果が出そろった。現在、データ解析中であるが、いくつか興味深い結果が出ている。対象妊婦のエネルギー充足率の平均は71.2%であり、足りていなかった。25(OH)Dの中央値は10.3 ug/m Lであり、90%が<20 ng/mLだった。25(OH)Dの中央値で2群に分けると,紫外線からのVitD生成量は中央値未満群で、中央値以上群より有意に少なかった(p<0.05)。食事からのビタミンD摂取量は25(OH)Dと相関しなかったが、紫外線からの生成量はよく相関した。ビタミンD結合タンパクの遺伝子多形が血中25(OH)Dと関連していた。 これらの結果から、妊婦のほとんどがビタミンD不足であること、エネルギー必要量が足りていないことが発覚し、妊婦の健康を守上でも食事を見直す必要があった。ビタミンD不足の原因を考える上で、紫外線からの生成量の少なさには注目すべきであり、紫外線を避ける傾向にある妊婦に正しい指導が必要であると考える。 対象妊婦とメールで連絡を取り合い、生まれた子どもたちのあしの写真と栄養アンケート・紫外線暴露量アンケートを収集している。回答率は概ね80%を超えており、良好である。生後3ヶ月のTibio femoral angle(TFA)は6.5度95%CI 5.3度で内反の狭い範囲の中に収まっていた。TFAと母体の血液検査値との間に相関は認めなかった。写真による計測ではあるが、今後、生後6ヶ月、1年、1年半と縦断的に下肢アライメントを測定する今回の研究は、下肢アライメントの変化を表す貴重なデータとなる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調にリクルートが進み、対象者の協力が得られており、メールでのアンケート回答も回答率が高い。血液検査費用が当初の予定より、此処の単価が高くなっているため高額になっている。そのため、今後の子どもたちの血液検査検体数が限られるかもしれないと言う点が予想外であるが。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策に大きな変更はない。1歳半の子どもに採血を行うにあたり、病院に来院してもらう必要があり、どれだけ参加が見込めるかという点が、最も不確定なところではあるが、様々な工夫をして来院を促すようにする予定である。 いくつかの工夫としては、企業が使用しなくなった商品(赤ちゃんのスタイ)を大量に譲り受けたため、プレゼントを用意できたこと、血液型やアレルギーの検査を同時に行いたいと言う希望に答えて、研究項目だけでなくそれらの項目も検査する予定としたことである。 検査結果が集まり次第、解析を進めていく予定である
|