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2018 年度 実施状況報告書

細胞核構造の変遷に基づく骨芽細胞特異的遺伝子発現制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09047
研究機関東京歯科大学

研究代表者

中村 貴  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80431948)

研究分担者 小野寺 晶子  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90637662)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード細胞核機能制御 / 骨芽細胞 / 転写制御
研究実績の概要

鎖骨頭蓋骨異形成症(CCD)は転写因子RUNX2の遺伝子突然変異に起因する骨芽細胞分化異常を伴う骨形成異常疾患である。RUNX2は骨芽細胞特異的遺伝子群の発現制御を司ることから、骨芽細胞分化のマスター転写因子であると考えられている。しかしながらRUNX2が骨芽細胞分化の具体的になにに対して重要であるか?という疑問に対する答えは十分に明らかとなっていない。これはRUNX2ノックアウトマウスでは骨芽細胞分化や石灰化骨形成が全く起きない為に、骨芽細胞前駆細胞の単離・解析が困難であることに起因する。即ちRUNX2欠損による骨芽細胞分化異常とされている現象が本当に間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化が行われない事によるのか、或いは骨芽細胞へ運命決定された細胞が増殖出来ない為に成熟骨芽細胞が存在しないのかが不明である。そこで我々は骨芽細胞への運命決定が行われる前段階のRUNX2欠損細胞を得る為にCCD患者由来iPS細胞を樹立し、iPS細胞から骨芽細胞への段階的分化条件の確立を行なうことで、未分化幹細胞から骨芽細胞に至るまでの分化過程を対象にRUNX2機能を解明すべく重点的に解析を進めてきた。その結果、RUNX2欠損細胞では核ダイナミクス異常が観察され、新たに発見した幾つかのRUNX2標的遺伝子をウィルスベクターを用いて強制発現する事で、細胞機能の正常化が起こる事を発見した。さらに、薬剤スクリーニングによってRUNX2欠損細胞においても骨芽細胞分化を促進する新規薬剤の発見に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究を進める過程で発見した核ダイナミクス異常に着想を得て、薬剤スクリーニング系にて骨芽細胞分化促進薬剤を探索したところ、RUNX2欠損細胞においても骨芽細胞分化を促進する発見する事に成功した。これは鎖骨頭蓋骨異形性症を始めとする骨芽細胞機能低下疾患全般に効果をもたらす治療薬の基盤となるものであり、現在申請者を発明者とする特許の申請準備を進めている。更に本発見は骨代謝領域におけるこれまでの常識を覆す発見であることから、本研究は当初の計画以上に伸展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

これまでの研究は順調に進んでいるため、引き続き計画に沿って研究を進めるとともに、RUNX2欠損細胞で起きている核ダイナミクス異常の詳細について調べて行く。また、骨粗鬆症治療薬の創薬基盤の構築についても積極的に進めて行く。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Sphenoid bone hypoplasia is a skeletal phenotype of cleidocranial dysplasia in a mouse model and patients.2019

    • 著者名/発表者名
      Mitomo K, Matsunaga S, Kitamura K, Nakamura T, Saito A, Komori T, Muramatsu T, Yamaguchi A.
    • 雑誌名

      Bone

      巻: 120 ページ: 176-186

    • DOI

      10.1016/j.bone.2018.10.028

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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