今後の研究の推進方策 |
近年の骨研究の目覚ましい発展に伴い、本研究計画も変更を必要としている。 計画1の骨膜骨芽細胞をラベルする方法として大きな変更が必要である。先日、カテプシンK (Ctsk) プロモーターでラベルされる骨膜細胞が、骨膜の幹細胞の一つとされ、成長期の皮質骨形成や骨折治癒に寄与していることが報告された[Nature, 562, 133-139 (2018) ]。我々はこのマウスをすでに入手し、Ctsk-Cre依存性にOsterixを欠損させたマウスを作成し、海綿骨の形成について詳細に解析する必要があると考えている。さらに、我々はCNPの標的であるNPR3を発現細胞が骨膜の幹細胞である可能性を指摘している。したがって、NPR3発現細胞とCtsk-Creでラベルされる骨膜幹細胞との関係性を詳しく解析する予定である。 計画4の骨血管の解剖学的詳細を明らかにするについても皮質骨血管を詳細にイメージングした報告があり、動脈では80%、静脈では59%の血液が皮質骨を通過していることが明らかになっている [Nature Metabolism,1, 236-250 (2019) ]。しかし骨膜の血管については、未だ明らかでは無い。そこで骨膜イメージング法を立ち上げ、OSTN発現細胞と骨膜血管との関係性を具体的に明らかにする予定である。
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