研究実績の概要 |
OSTNは骨膜分泌性因子であるが、OSTN-KOマウスに認める海綿骨量異常は骨膜の異常のみで説明できない。そこで本研究においては、1)細胞性経路と2)血行性経路に着目し、骨膜-海綿骨クロストークについて検証する。 前年度は骨膜由来間葉系細胞から骨芽細胞への分化機構について、OSTN-NPR3-CNP経路の果たす役割について解析した。上記の成果については論文に纏め上げ、現在revise対応中である。一方、解析の途中で骨膜のskeletal stem cellが発見され、上記lineageをターゲットにしてgeneticな解析が可能になった [Nature, 562, 133-139 (2018)]。そこで、今年度はCtsk-Creマウスを新たに導入して、conditional KOの作成を行っている。本計画を遂行するために以下の解析を行った。 1)Ctsk-Cre lineage細胞においてOSTNが発現しているかを明らかにするために、Ctsk-CreマウスとROSA-Lox-STOP-Lox-YFPマウスとの交配により、Ctsk-Cre lineage細胞をYFPにてラベルした。骨膜から細胞を採取し、YFP陽性細胞と陰性細胞とに分離し、これらの細胞集団にてOSTNの発現をRT-PCRにより解析した。既報の通り、およそ50%以上の細胞がCtsk系列であることを確認した。また予想通り、OSTNはCtsk系列細胞に発現していることを明らかにした。 2)さらにCtsk-linegae細胞にて特異的にOSTNを欠損させるために、Floxedマウスを作成し、Ctsk-Creマウスと交配させている。移転と新型コロナウィルスの影響により、交配の計画は遅延しているが、来年度には解析を予定している。マウスを作成後、海綿骨量をマイクロCTにて詳細に解析する予定である。
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