研究実績の概要 |
【CCKBRの神経再生における役割】 Conditioning effectは中枢神経再生の鍵と考えられている重要な現象である. 9種類の遺伝的に最も異なる近交系マウスを用いてconditioning後にその上流である後根神経節で発現する遺伝子の網羅的解析を行い, その発現量が10倍以上に上昇し現時点で神経再生への関与が未知である遺伝子としてcckbrが挙がる(Omura T et al, Neuron, 2015). cckbrはコレシストキニンB受容体(CCKBR)をコードしており, 当科ではマウス後根神経節単離培養神経細胞を用いたin vitro実験系においてCCKBRアンタゴニスト投与によりに神経発芽および軸索伸長が著明に抑制されることを報告した. 本研究ではCCKBRノックアウトマウス(KOマウス)を作製し, CCKBRの神経再生における役割を検討することとした. 7~12週齢のKOマウスおよびWild typeマウスを用いた(n=4, respectively計8匹).左坐骨神経損傷後5日に同側のL3-5のDRGを摘出し,損傷していない対側L3~5のDRGも摘出し、コラゲナーゼ処理をして初代培養神経細胞を作製した.PDLコートプレートにて24時間の培養し,抗βtublin抗体を用いて神経細胞と軸索を染色した.KOマウスの坐骨神経損傷あり群となし群, Wマウスの坐骨神経損傷あり群となし群の4群間で神経発芽率および軸索伸長距離を計測した.計測にはWeizmann Instituteより提供されているソフトウエアNeuroMathを用いた. しかし、4群において軸索伸長および神経細胞発芽率に有意差はみられなかった。
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