研究課題/領域番号 |
18K09062
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹上 靖彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50755345)
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研究分担者 |
関 泰輔 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (20528822)
宮本 健太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50789899)
樋口 善俊 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80792738) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Rspo2 / 軟骨 / 変形性関節症 / ドラッグリポジショニング |
研究実績の概要 |
ドラッグ・リポジショニングの手法を用い、抗うつ薬の一つであるMianserinが軟骨分化におけるRspo2の働きを抑制することを同定した。軟骨細胞を用い、Rspo2による軟骨細胞の増殖分化がMianserinを投与することでその軟骨分化マーカーが制御されることが判明した。ついで、ラットによる内側半月板切除モデルを作成し、Mianserinの関節内投与を行った。投与後8週で膝関節サンプルを採取し、組織学的な検討を行ったところMianserinを投与した群はコントロール群と比較してModified Mankin scoreによるスコアリングによって組織学的にOAの進行が抑制されることが明らかとなった。ただしその抑制効果は有意差をもって示される程度ではなかった。 続いてMianserinがOAを抑制するメカニズムについて明らかとすることとした。まず、人工関節手術からOA細胞を単離し、Mianserin処理を行うとMianserin投与によってβcateninの核内移行が抑制されることがわかった。続いてMianserinがRspo2の働きを抑制するメカニズムについての検討を行った。軟骨細胞の増殖分化のモデル細胞であるATDC5において、MianserinはRspo2によって誘導されるβCateninの蓄積と、Lrp6のリン酸化を抑制することがわかった。また免疫沈降法を行うことで、このメカニズムにはRspo2のレセプターであるLgr5をMianserinが抑制することで起こることが判明した。 またヒト関節液細胞を採取し、ELISAによる解析を行ったところ変形性関節症の進行に先行してRspo2の発現量が増加することも判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞を用いた実験において、Rspo2が変形性関節症の病態にどのように関わっているかを明らかにすることができた。ただし、動物実験では十分にOA抑制の結果をえることができたとは言い難い。ただし今後実験をすすめることによって十分な結果がえられると予想され、当初の計画通り実験が進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
Mianserinの投与量について適切な投与量の検討が行えていないためこの検討を行う必要がある。また昨今抗うつ薬と変形性関節症の疼痛との関連が指摘されている。Mianserinが変形性関節症の疼痛軽減に与える影響についても動物モデルを作成し検討を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が順調に推移し、当初予想されていた細胞実験が予想より速やかに終了した。しかしながら今後動物実験によって薬物の至適投与量、疼痛への効果をみるための新規動物実験を行うために薬剤の購入、動物実験に係る諸経費を使用する必要があるため次年度使用額が生じた。
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